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ステイドーム船でワカサギ

[ 2020年12月17日 07:06 ]

ワカサギ釣りを楽しんだ佐直友恵さん
Photo By スポニチ

【ガイド】安・近・短で手軽にワカサギ釣りが楽しめるのが神奈川・相模湖。ボートでももちろん釣れるが、寒さが厳しくなるこれからの時季にピッタリなのがドーム船だ。船内は上着いらずの暖かさで、アラフィフの身にはうれしい限り。果たして釣果の方は…。 (久世 明子)

 思わぬ敵がいた。誰もが通り過ぎる道だが、小さなターゲット相手ではこれはつらすぎる。ハリにも餌にもピントが合わない例の“アレ”が…。

 天狗岩釣案内所の山口恭平さん(29)に案内されたのは、大曲にあるドーム船2号。青色のかまぼこ形とイカしたヤツで、気温5度でも暖房があり寒さ知らず。さらに記者貸し切りというぜいたくなディスタンスだ。

 「餌のサシは先端が残る程度でカットしてください。仕掛けは5回ほどシェークして、3秒止めるのがいい感じです」と山口さん。釣り方をレクチャーしてもらった後は、気ままな一人旅。セットした魚探に魚影が映ったと思った途端、ピピッと小さい当たり。6センチ級2匹掛けと幸先の良いスタートとなった。その後は群れの通過に合わせ食ってはくれるが、掛かるのは5~8センチの当歳魚がポツポツペース。鈴なりとはいかないが、1匹だけ掛かった2歳魚(10センチ)は仕掛けを横走りさせるほどの強い引きを見せた。

 食い気はありそうなのに、フッキングには至らない。勝負を懸けハリを1号から0・5号に変更することにしたら、ここに立ちふさがったのが老眼という名の“敵”。ミニミニサイズのハリでは、餌がなかなか刺さらない。さらに、餌を3分の2にカットするとんだ苦行の5本バリ。一仕事を終え再スタートできるようになるまで、大きな群れが6つ横切っていった。

 少し離れた4号船では同僚5人組が釣りを楽しんでいた。青梅市の大塚智恵さん(46)は海のターゲットを中心に釣り歴は40年という大ベテラン。ワカサギは3回目で「本当は海で大物を狙いたいのですが、ドーム船は冬でも暖かいのでビギナーも誘いやすい」。船内は和気あいあいの雰囲気だが、超がつくほどの食い渋りで同行した福生市の佐直(さなお)友恵さん(40)は「もう少し釣りたいなぁ」と5~7センチを手に苦笑いしていた。

 この時季は群れの回遊層が安定せず、最も数釣りが難しいと常連さんが教えてくれた。相模湖のベストシーズンは「10月のスタート直後と、水温が下がり群れが固まってくる12月末から」(山口さん)。釣行当日のように朝方に冷え込み、日中との寒暖差が激しい場合は特に難しいらしい。ワカサギって繊細なのね。釣果は5~10センチを中心にドーム船がトップで40匹、期待のボートでも200匹と全員が苦戦を強いられた。お正月用に「ワカサギの田作り」でも、と考えていたがちょっと足りなそう。ドーム船は暖かかったから、ま、いいや。

○…天狗岩釣案内所では、コロナ対策として受け付け時に体調チェック表への記載、検温を実施。ドーム船内は全12席を8席に減らし客同士の距離を確保し、間にビニールカーテンを設置した。さらに2時間に1回の換気を呼び掛ける貼り紙をするなど、万全の対策を講じている。山口一店主は「人数を減らした分、500円値上げしましたが収束すれば戻します」と話していた。

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