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ワカサギとの頭脳戦

[ 2020年12月8日 07:05 ]

ワカサギ釣り初挑戦の橋本さん夫妻                              
Photo By スポニチ

【釣り日和】長野県野尻湖のワカサギが釣れている。コロナ対策万全の屋形船に乗船。20メートル以上の深場を狙うから釣趣は満点だった。 (笠原 然朗)

 受付時の検温と手指の消毒。屋形船内は乗船人数を制限して、釣り座ごとにビニールシートで区切られ、マスク着用が義務付けられている。コロナ下でのワカサギ釣りの風景だ。窓が少し開いているので空気の流れも良い。

 小出茂船長はYMCA沖の水深24メートルに船を止める。先日、マアジを狙った東京湾横浜沖の水深よりも深い。

 ハリ1号、ハリス0・2号、オモリ2・5号の野尻湖マリーナオリジナル仕掛けを底に送ると、小さな魚信。合わせを入れ、巻き上げると、澄んだ水の中に黄金色の魚体を震わせてハリ掛かりしたワカサギが上がってくる様子は幻想的だ。

 解禁は先月1日。「最初の頃は10センチ超の大型が釣れましたが、今は中、小型の当歳魚が中心。水温が高くブラックバスも活発に動いています」と小出船長。「年々、シーズナルパターンがつかめなくなっています」。これも気候変動の影響か?

 昨今のワカサギ釣りは電動リールが主流だが、私は手巻きで。静かにラジオが流れる船内に響く電動リールの「ジー」という音。釣趣はあるが手巻きの効率は良くない。ハリ掛かりも悪いので半分にカットして付けた餌のサシをさらに4分の1に切って付けたら掛かるようになった。

 「こんな面白い釣りはない」と快調にリール音を響かせていたのは柏崎市の棚橋勉さん(71=自営業)。だが、バスに釣果を横取りされること数回。そのたびにため息だ。

 並んで釣っていたのは金沢市の橋本幸造さん(46)と美里さん(45)夫妻。幸造さんは遊漁船「シーウルフ」の船長。日本海へタイラバなどで出船しているという。ワカサギ釣りは初めて。タックルを新調して臨んだ。「魚が食う様子をイメージして釣るのは海も同じですね」と順調に数を伸ばしている。

 一方の私は…当たりはあるが掛からず、掛かっても途中でバレる…の負のスパイラルに陥った。だが午前8時に出船して納竿の午後3時まではあっという間。釣れないなりに魚との頭脳戦が楽しめるのもこの釣りならではだ。

◯…竿は、バリバスの穂先「公魚工房F285」を駆使して300匹超を釣り上げたのは新潟市の中野隆夫さん(76)。ワカサギ釣りを始めたのは今年2月。海釣りはやっていたが、入院先の病院の医師から健康維持のために勧められたのがきっかけという。「ハリは1本の竿にはキツネバリの1号、もう1本は1・5号を付けて狙いました」。二刀流の極意だ。

▼釣況 上信越地区東日本釣宿連合会所属、野尻湖・野尻湖マリーナ=(電)026(258)2629。乗船料金3800円。1日釣り券700円(小・中学生無料)。

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