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東京湾にテンヤ タチウオ襲来

[ 2020年11月3日 07:09 ]

どうだ!鈴木さん5F超を3匹  
Photo By スポニチ

【実釣見分】テンヤのタチウオが大人気だ。大阪湾発祥で今年に入って東京湾で瞬く間に広まった。型は良く、数も出る。飛びつきたくなるのも当然だ。南六郷・ミナミでいざ実釣見分。
 (スポニチAPC・町田 孟)

 「8F(フィンガー)が出たんだって」。つまり指8本幅、ドラゴンをはるかにしのぐモンスター。テンヤの威力を示す一言だ。釣具店に出向いたが品ぞろえが少ない。「プロにも回らないらしいです」。店員さんもブームに驚きを隠さない。

 餌のイワシは「大きいほどいい」。ヒントをもらい2軒のスーパーを比べて6匹を冷凍した。さらにコツンコツンとした当たりは前触れ。竿先がビクンと跳ねてからが合わせ時。主にただ巻きでいい。竿は先調子。目いっぱいの情報を詰め込んだ。

 人気を物語るように、船にはやる気満々の14人。安達祥一船長に最近の様子を聞くと、いささか困った顔で「数が減ってきました。餌の方に反応が良くなっています」。いやな予感。それでもテンヤの利点を聞いてみた。ドラゴン級の確率が高いのは確か。もう一つ「僕の見方では潮が行っている方が餌よりも効果があるようです」。

 走水沖75メートル。すでに船団ができていた。餌はハリの裾、アール部分から指3本ほどはみ出させてセットする。大き過ぎる場合は頭を落として調整。

 雨脚が強くなってきた。風も出てきた。10メートル以上は優にある。釣り座はミヨシ。足場は狭いし、ギッタンバッコンで年寄りにはこたえる。弱気の虫がひょっこり。「まずはお土産確保」。餌への反応はいい。食い気満々。底5メートルから20メートルくらいまで追ってくる。5匹を確保したところで胴の間のテンヤオンリー派が極太を上げるのを目撃。

 やるっきゃない。8Fは無理でも、5Fくらいは。脳裏にちらつく姿を追ってひたすらただ巻きを繰り返す。超スロー、速巻き、たまにシャクリを入れても、コツンすらない。

 上乗り君が「今がチャンスです」。昼すぎにやっと潮時が来た。が、無反応だ。雨粒がいつになく痛い。腕前を棚に上げて、これも釣りだとお定まりの言い訳で無理やり自らを慰める。テンヤで何してんや。ダジャレしか出ない頭でっかちの挑戦。せめてもの救いは、人さまの獲物でテンヤものを見分できたことだ。その差歴然!

〇…メタボ3匹。テンヤのトップは鈴木篤さん(46=会社員)「前回は8匹でした」。量より型に魅せられ病みつきに。「スローな巻きでヒットしました。結構上でもきましたね」。食い渋りの中、狙いを絞って粘り強く攻めた結果に納得顔。稲城市の自宅で待つ陽子夫人は「魚はさばかないので僕が」。もう“一仕事”待っていても苦ではなさそうだった。

○…坂下昂平さん(33=江東区)は餌で通して良型含め4匹。「映画などは好きですが、アウトドア的な趣味を一つ持ちたくて」。始めて1年。八戸出身。東京でのサラリーマン生活の中に潤いを見つけた。

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