真夏のタチウオ 廃竿リサイクルで立ち向かう

[ 2020年9月1日 07:18 ]

妖艶と凶暴の君                              
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 【実釣見分】タチウオは今や東京湾のスターだ。昨年から切れ目なく好調、食味、釣趣共に◎とくれば当然と言える。夏タチも相変わらずなのだろうか。様子を見に川崎・中山丸へ。(スポニチAPC・町田 孟)

 コツンと来たら、さあ、じらせ。若い頃みたいにはやって突進しない。こっちだって相手がその気になるまでの手練手管くらいは学んできている。ところがセクシーな銀色の体と鋭利な牙。妖艶と凶暴を併せ持つ君はつれないそぶりだった。

 タチウオと相性ピッタリの並継ぎ竿があった。ところが穂先のグラス部分が裂けてしまって調子に狂いが出た。そこで廃竿を再生利用できないかと物置を引っかき回して、それらしいのを見付けた。ガイドなどを取り換えて、やや軟調だけど、と悦に入っていた。

 【実釣】富津沖のタチは朝寝坊だった。13メートルの浅場攻め。楽ちんだと高をくくっていた。ところが自慢?の竿を必死にシャクっても何の音沙汰もなし。やっと下げに入った午前9時半すぎにお目覚めだ。穂先への当たりも悪くなかった。ただ、型が小さい、というか細身だ。痩せてていいのはモデルだけだろうに。

 中山勝之船長=写真=の基本レクチャーは「ハリス2メートル以内。シャクリは細かくシャープに。餌を小魚と思わせて、反射的に飛びつかせるんだからね」。言われた通りにやってみるのだがイマイチ。

 その後もポツンポツンで爆釣モードには至らない。と、隣にいたカップルの女性。どう見ても初心者なのに、ポンポン上げ始めるではないか。「竿のせいか、シャクリ具合が悪いのか…」。疑心暗鬼、冥府魔道に陥ってしまう。いい年のおっさんも、まだまだ達観できてねえや、と自嘲気味だ。何とかツ抜けはしたものの、消化不良そのものだった。

 「海が変だ7月の長雨のせいかな。水温も高過ぎる。ぬるい。本来夏タチはポンポン釣れて面白いはずなんだ。相模湾もマグロ、カツオがダメでしょう?」。中山船長は首をひねる 気候なのか、腕なのか。それとも1年中攻め過ぎたせいなのか。ツクツクボウシが鳴く頃の回復を期待だ。

 その前に、竿をどうしよう。買うべき?買わざるべき?ハムレット…。

 ○…岩崎英貴さん(66=横浜市)は20匹にまずまずの表情だ。今年の1月にタチウオを始めたばかり。「それまではビシアジ一本。そこの船長が病気になって休業するので、どうしようかと相談したらここを紹介されたんです」。以来、微妙な駆け引きにはまった。今では「5、6月のアナゴの時季を除いて、週一くらい」。これまで使っていた竿がしっくりこなかったので、前日釣り道具店に駆け込み新調して結果を出した。都筑区でゴルフ練習場を経営。こちらは学生時代から30年以上のキャリアでハンデは3。「ゴルフと違い釣りはストレスがありませんから。お土産も付くし」。どうやら凝り性。釣り“シングル”を狙っていそうだ。

 ○…やや型のいいのをムニエルで=写真。切り身に塩、コショウ。小麦粉をまぶしてオリーブオイルで焼き、仕上げにバターを落とす。ポイントはアボカドソース。マヨネーズを使って伸ばしたりもするが、アボカド本来の味を殺しているようで好きになれない。そこでシンプルに仕立てる。完熟の果肉をつぶした後に軽く塩、コショウしてクミンを少々。仕上げはレモン汁たっぷりで伸ばす。半分は使う覚悟で。皮目を下にして絞ると香りもよく移る。ミニトマト、グリーンアスパラを添えれば涼しげだ。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、川崎・中山丸=(電)044(233)2648。午前6時45分出船、料金9800円(餌、氷付き)。

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