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食欲の秋先取り!! ピチッと締めたイナダ生ハム

[ 2020年8月18日 07:52 ]

船首で頑張った親子連れルアー3人組。引率者の堀口英紀さん(45=調理関係、秩父市)は良型イナダを含む10匹。息子の拳征君(12)と友人の黒沢快斗君(13)は中学の同級生。共にショゴ(カンパチの幼魚)とイナダ、ワカシを確保。
Photo By スポニチ

 【一釣一品食べま専科】生ハムを食す。秋の使者イナダね。日本らしく魚を使っても、やり方次第でできなくはないだろう。平塚・庄三郎丸で舌なめずり。(スポニチAPC 町田 孟)

 「生、焼く、煮る、捨てる」。魚を食べる順序があると、ばあさんが言っていた。でもね「干す」が抜けているじゃないかと文句をつけたくなるじゃないの。そこから妄想は生ハムに発展。薫製は本やネットを検索すると、とっくに成功させている連中がゾロゾロ。食に貪欲なのは自分だけじゃないと、妙に安心さ。

 実は強力な武器があったのよ。もう何十年も前から発売されている脱水シート「ピチット」。魚好きの台所では欠かせないアイテムの一つだ。冷蔵庫でも干物が作れるし、小一時間魚を挟んでおけば、余分な水分も臭みも抜ける。刺し身の保存など用途は多い。実は戸棚の隅に忘れていた。偶然見つけて「使ってみようか」と思い立ったのも製作動機のひとつだったわけさ。少々高いのが難点。でも、趣味の範囲なら、ここはおごってもバチは当たらんだろう。

 【釣戦】連日の酷暑。のっけから中村友紀船長=写真=から厳しい言葉だ。「1日辛抱強くですよ。このところ水温が上がって反応が鈍くなってます」。そういえば日報の数字が気になっていた。一抹の不安が現実となる。シャクってもシャクっても…。「小イワシが群れている」。途中船長のアドバイスで落とし込みを狙った。追い回している気配はある。だが食い付かない。ルアー組は、そこそこ結果を出している。それを横目に暑さを忘れて、ではなく暑さだけが身に染みた。必死で仕事分は確保したが不完全燃焼だなあ~。

 【クッキング】三枚におろしてからが本番。

 (1)塩で小一時間ほど締める。これが水分1次処理。臭みも抜ける。

 (2)水気を拭き、塩、コショウ。後はハーブ系の香辛料をまぶす。ローズマリー、クミンなど。クレージーソルトはお手軽でいい。ただし肉じゃないからあまり塩を振り過ぎると悔やむことになる。ほどほどに。

 (3)水分2次処理。シートに挟みラップなどで包んで冷蔵庫へ。

 (4)1日でシートが驚くほどビシャビシャになる。毎日交換して3、4日待ってから、いっただきまーす!サラダ、アボカド、サンドイッチにも合うんだ。

 家人の反応?「見た目しなびているようだけど…」。おやっ、アンタがそれを言うのかい。

 ○…本来の生ハムは塩と時間と湿度。生肉の水分を抜いて低温でじっくり長期熟成させる。芳香と熟れた塩気は大人の味だ。オジサン目線で例えれば個性を放つ熟女か。うん、ソフィア・ローレンを思い出すねえ。“女シリーズ”はグラマラスで迫力満点、鮮烈だった。それが「ひまわり」あたりになると練れてくるのよ。このあたりからチーズに合う雰囲気が醸し出されて、こたえられません。

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