オーラス落とした“いい女” アナゴキゲン棒寿司

[ 2020年6月25日 07:23 ]

ささやかながらの棒ずし(手前)とキスの押しずし                               
Photo By スポニチ

 【一釣一品食べま専科】アナゴの棒寿司を食す。夏場の東京湾夜釣りで人気が高かった。過去形なのは大震災以降「どこかへいっちゃった」からなんだ。今年こそ戻っているのか。取らぬタヌキの食欲につられて川崎・中山丸へ。(スポニチAPC・町田 孟)

 粘り勝ちです。オーラス一発満貫(テンピン麻雀じゃないよ)、見染めた女性とのデートをやっと取りつけたような喜びかな。
 ポイントは中ノ瀬。イヤハヤ、ため息が出ちまった。南西の風がビュンビュン。潮はガンガン。赤クラゲもウヨウヨ。グルメの“下劣なつまみ食い”が痛い目に遭うのは当然の報いさ。こちとらは清廉潔白で本気モード。おまけに関節が悲鳴を上げる老腕をだましだましなのに…。

 同じニョロ系でウナギが人気なのは分かる。まっ、ギラギラ太り肉(じし)の濃ゆい女性ってとこ。僕だって大好きさ。一方のアナゴ嬢はどこか控えめないい女かな。それはそれで捨てがたいなあ。

 【釣戦】二股リレーにして保険をかけたキスはほどほど確保。いざ本番だ。「まずは根気よく小突くこと。餌の付け方も割合と雑でいい。当たりがあったら一呼吸、2度目、3度目のごそごそ、モヤモヤで合わせれば」。中山和哉船長=写真=の教えてくれた基本を守ろうにも当たりが取れない。秋波は送るんだがね。コツンもなしでつれない素ぶり。しゃくだねえ。

 「出だしは良かったけど、ここんとこ例年通りになっちゃった。今日の条件じゃゼロの人が出ちゃうかも」

 船長の杞憂(きゆう)に肩身が狭い。ついに「これで上がりましょう」。ラストコール。オデコを覚悟して言い訳を考えたとたん、もぞもぞ。合わせるというより誘うように竿先を上げて巻きに入る。するとクイッと重みを感じるじゃないの。うふふふっ。狙った相手がついに落ちた瞬間だ。

 【クッキング】船上で開いてもらったアナゴをサッと水洗いした後、皮目に熱湯をかける。体表のヌルが白く固まるので水に当てながらこそげ取ってから煮含める。酒、砂糖、水、しょう油でほんのり甘くね。寿司飯にゴマ、三つ葉をまぶしておく。

 多く釣れた場合には、身をザクにしてまぶせば豪華版だ。今回は倹約型。巻きすの上にラップを広げ、アナゴ、寿司飯の順で重ね、くるりと半回転させて形を整える。皮目をあぶって仕上げにツメ(煮汁を煮詰めたタレのことね)を塗ればOKさ。

 早速、家人が口を出す。「キスもいいけれどアナゴは大好物なの。もっと腕を上げてよね」。へい!アネゴ。

 ▼おまけ キスをおろし、塩をする。30分ほど水気を抜いたらコンブ酢につけて押し寿司に。かんきつ系を搾りかければ、爽やか一品。

 ○…中山丸に新造の8号船が登場。4月24日に進水式を終えたばかりで全長22メートル、幅4・8メートル、17トン。広々として釣り座も楽ちんで安定感バッチリ。アジ、夜アナゴにとフル回転の活躍だ。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、川崎・中山丸=(電)044(233)2648。キス・アナゴのリレー船は出船午後2時、乗合料金は9800円(氷、餌付き)。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る