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イワナにも出合えマス

[ 2020年6月6日 15:00 ]

ビーズヘッドニンフで筆者が釣った良型ニジマス
Photo By スポニチ

 【奥川文弥の釣遊録】緊急事態宣言の解除明けの最初の釣りは奥多摩に行くことにしました。多摩川上流の日原川の釣り場東京トラウトカントリー(TTC)です。管理釣り場なのですが日原川の自然渓流をそのままに利用していますから景色は抜群です。放流魚だけでなく、日原川の天然魚が上流から落ちてきたり、下流から上ってきたりと、いい魚に出合えるチャンスはあるわけです。

 管理人の榎沢弘さんの話では、自粛中には放流はほとんどしていないので、“残りマス”だけだとのこと。しかし、川を見ると魚影がありました。4月6日以降釣りをしていないので、それを見ただけで感動しました。

 TTCには「キッチンメイフライ」というイタリアンレストランが併設されているので、まずはここで昼食をとり、午後券を購入し、フライフィッシングしました。小雨が降りだしたので、水面を狙うドライフライではなく、ニンフをしました。ニンフは川虫のようなフライをつけ、ミャク釣りのように釣っていきます。

 ロッドは10フィート2番、ラインは3番を使いましたが、リーダーにはチヌの落とし込み用イト(サンライン・落とし込みマークウィン)2号を2メートル、そしてそれにフロロカーボンの「スーパートルネード」0・8号を1メートル、さらに「トルネード鮎」0・4号を60センチ接続し、ビーズを装着したフライを使用しました。

 川には巨石がたくさんあり、その岩陰に隠れている魚を狙うのです。できればウエイダーがあった方がいいです。

 ニンフをキャストし、沈めて流しているとググッと当たりが伝わり、すぐに1匹目がヒットしました。それは40センチほどのニジマスでした。ティペットが0・4号なので慎重にやりとりしてラバーネットに収めました。

 場所を変えると15センチをほどの小さなイワナが連発しました。小さいのですが、立派な東京イワナです。東京でイワナが釣れるなんて素敵だと思いませんか?「頑張って大きくなれよ」とエールを送りリリースを続けました。プルンプルンと当たってくるので「また小型か」と合わせを入れずにいたら良型のイワナを1匹逃してしまいました。

 大物は激流のそばにいるかもしれないと、場所を変えるとまたもやいいサイズのニジマスがヒットしました。この魚はほっぺたが赤く、とてもきれいな魚でした。

 放流ニジマスは急流に弱く、下流に流されてしまうと言われていますが、岩がたくさんあり、隠れる場所があればこんな急流の中でも生き延びていけるのだなと感心しました。

 雨が強くなってきたので2時間ちょっとで釣りをやめましたが、ニジマス5匹、小型イワナ十数匹、と久しぶりに釣りをした気になって満足しました。

 さらにコロナが落ち着き、放流も開始されれば初心者にも最適な渓流釣り道場が再生することでしょう。(東京海洋大学客員教授)

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