酒好きOL マゴチから出世魚

[ 2020年5月15日 07:38 ]

08年当時の筆者。ハゼを釣った
Photo By スポニチ

 【釣り姫見参】“釣り姫”ふくだあかりの過去が暴かれる!今や新聞やテレビなどあらゆる媒体、イベントなどで活躍中だが、その昔は…。

 釣りに出合う前、ワタシはごくごく一般的なちょっと病んだ会社員だった。趣味という趣味は特になく、六本木のクラブで毎週末、朝まで飲んだくれていた。仕事は面白くなかったし、やりがいなんてなかった。

 大学を卒業し、茨城から上京したワタシにとって東京での1人暮らしは憧れだったけれど、同時にとても寂しかった。そのせいなのか当時のワタシは、身長が1メートル68で体重は43キロ。自分では気が付いてなかったけれど、不健康で痩せ過ぎもいいところだ。

 当時の写真がないものかと探してみたけれど、自分があまり好きではない人間は自分の写真なんて残さない。そんなワタシが釣りに出合ってしまった。“本当のトコロ”を言うと、最初は釣りが面白かったというより、外に出ることの気持ち良さや、会社の人間やクラブで会う顔も名前も覚えられない人ではなく、利害関係のない釣り友達との時間がとても心地よかった。

 釣り竿を持ってみたら、子供のころの楽しかった記憶もよみがえった。そのうち釣りに行く時間が楽しみになった。楽しみになることがあると人ってびっくりするほど前向きになる。お酒を飲むことぐらいしか趣味がなかったのに(その飲み方もあまり褒められた飲み方ではなかった)釣りという趣味ができた。

 何をする気力もなかったワタシが、そのうち当時はやっていたブログを書きたいとも思えるようになった。そして釣り素人が1年間で100種類の魚を釣るというブログ「百目」を始め、目標ができてからは徐々に体重も増え始め、釣りに費やす時間が増えた。

 どうやったら100種類釣れるか、別の場所でやろう、別の釣り方をやってみよう。船に乗ったらいいんじゃないか。仕事に行く時間が惜しいので仕事も辞めて、ガード下の立ち飲み屋でバイトをしながら釣りをした。毎日が楽しかった。

 そうなるとなぜか人生の運も上向いてきた。マゴチ釣りで南六郷・ミナミに行った時に初めてスポニチに写真を載せてもらった。その後、近所の深川・吉野屋に行ったら吉野吾朗船長からスポニチを紹介してもらって今の連載に至っている。

 その間、事務所を紹介してもらったり、テレビやラジオ、雑誌の連載などもいただき、ありがたいことに釣りだけで食べていけるようになった。

 あのまま釣りに出合わなかったら何をしていただろうか。不健康のままだったか、結婚していたか分からないけれど、今のワタシはない。釣りに出合えて本当に良かった。

 「何かしたい」と思ったり、「何にもやりたいことがない」なんてふさいでいたり、なんとなく生きているんだったら、何か始めた方が断然楽しい。私にはそれが釣りだった。

◆ふくだあかり 1981年(昭56)生まれ、茨城県出身。07年、趣味で釣りを始める。08年に始めたブログ「百目」は、月間30万アクセスの人気。16年から茨城県海面利用協議会委員を務めている。 

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