Mr.マダイ永井裕策氏の仕掛け力 胸に 愛弟子の国友博文氏が見た師匠像

[ 2020年5月14日 10:17 ]

師匠の教えを守って庄幸丸で大物を釣り上げた筆者
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 【博覧釣記】竿、リール、仕掛け…世界でも最高峰の釣り文化を持つ日本。釣り界発展の立役者の一人が本紙APCの永井裕策氏だ。“弟子”国友博文氏が入門したいきさつ、近くで見続けてきた師匠像は…。

 沖釣りの人気ターゲット、マダイと言えば、真っ先に永井裕策氏が頭に浮かぶだろう。ムーチングロッドをはじめとする専用道具の開発や、マダイの生態調査には水中ダイバーを採用する徹底研究を行った。沖釣りに餌のオキアミを普及させたのも師匠である。

 勝山・庄幸丸の乗っ込みマダイを狙った折、「あの人は、永井名人の弟子なんだよ」と庄司剛船長とお客さんのやりとりに照れ笑いした。

 私は野球に没頭した期間以外は、バス、渓流、アユ、磯などさまざまな釣りを楽しんできた。ある時「永井門下生募集」の文字に半信半疑で応募した。そこには港や船釣りを代表する顔触れがいた。「これは場違いだな」と圧倒された。

 本紙の連載「真説フィッシング」で活躍中の芝真也さんと出会ったのもここだ。「凄いヤツがいるものだ」が芝ちゃんの第一印象。永井師匠のおかげで、釣りを通じて、人生の友と出会うことができたのだ。

 釣行を重ねて、いよいよ最終選考。舞台は福浦・よしひさ丸。お題はもちろん「マダイ」だ。釣りをしながら、船上では師匠との最終面接。恐らく皆思い思いに釣りの話をしたと思う。あえて私は「釣り以外の趣味やスポーツの経験はありますか?」と質問してみた。すると顔を真っ赤にして「おまえ面白いな、俺が釣りしか能がないと思ってるんだろ」と返ってきた。お互い甲子園を目指す球児であったことを確認するとすぐに意気投合した。

 その日の釣りは、誰も釣れない沈黙が続き水中ウキを試してみた。すると「誰か水中ウキを使ってるだろ」と声が掛かった。操縦室の魚探で見破られていたのだ。さすがは「永井リグ」の生みの親である。

 奇跡的にも、船中1匹の貴重な小型マダイを私が釣り上げ、ギリギリ門下生に合格。芝ちゃんは満場一致でトップ採用決定。

 そして舞台を移して、04年のシマノ「探見丸発売記念剣崎松輪船釣り大会」に門下生として参加。ここでも奇跡が起こり、200人を超える盛大な大会で優勝してしまったのだ。表彰式では「あいつは私の門下生なんです」と喜んでくれたことを思い出す。師匠に褒められたのは、これが最初で最後。

 船上ではいつも陽気に周囲を和ませ、沖釣りの楽しさを教えてくれる大きな存在。釣りはもちろん、人生勉強は今も継続中だ。

 「人とは謙虚でないとだめだ」が師匠の口癖。師匠の釣りに対する姿勢は「今時合!今が勝負!」と読んだらその集中力は半端ではない。納得ゆくまで仕掛けを調整して絶対に気を緩めない。これがプロ魂であり、船長やスタッフに対する礼儀なのだ。

 最後の最後に大物を釣り上げ盛り上げるプロセスだろう。

 師匠の教えを胸に、今後も沖釣りの楽しさを微力ながらお伝えしたい。

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