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文豪しのぶヒレピンヤマメ

[ 2020年3月28日 07:15 ]

ベイトキャスティングスタイルでヤマメを釣った筆者
Photo By スポニチ

 【釣遊録】東京都を流れる多摩川の上流は3月1日に羽村堰上が解禁し、3月14日に羽村堰(せき)下が解禁しました。これで多摩川全域の釣りが可能になったわけです。

 3月14日は雨の中、羽村堰の下に行ってきました。ここは珍しく解禁日だけルアーフライエリアが設けられ、餌釣りとのトラブルをなくそうという試みが何年も前か始まっています。

 1時間前に到着しましたが、餌釣りはとても多くの人がいるにもかかわらず、ルアーエリアにはほとんど人がいませんでした。10分ほど前になるとルアーエリアにも若者が集まってきました。場所取りまでして釣ろうとしなくてもいいのだと思っている人が多いのでしょうね。「放流した魚は全部俺が回収する」と目が血走った人とは違い、余裕が感じられていい雰囲気でした。

 私はルアータックルを2セットとフライを用意しました。特にルアーはベイトキャスティングを今年から復活させリールはアンバサダー2500Cです。かの文豪・開高健さんが愛したリールの小型版です。これを使って釣りを味わいながら文豪をしのぶのです。

 近年ルアーのタックルは非常に優秀で、最新型を使うと魚が釣れちゃいます。ですからあえて古いリールで挑むのです。スピニングはカーディナル3。これも40年以上前のリールです。

 まずはスタートと同時にスピニングでメップスのスピナーを投げました。すぐにヒットしてきたのは全てヤマメでした。なんとその中には年越しのヒレピンヤマメも交じっていたので驚きです。

 数匹釣ってアンバサダーにチェンジ。最初はスプーンを投げましたが、掛かりませんでした。解禁日ですから10回投げて釣れないと不安になります。作戦を変更し、バス用のソウルシャッドをキャストすると、ベイトでの1匹目がようやくヒットしました。気温が下がり、雨がどんどんみぞれ化してくる中で心温まる一匹でした。

 これをきっかけに、周りのルアーマンもばらけてきたので、私も場所移動しながら探りを入れることに。

 ベイトキャスティングはヤマメにはヘビータックル過ぎるようにも感じましたが、味わいがあっていい釣りになりました。定番のトリコロールミノー流芯もよく飛んでよく釣れました。

 最後はフライです。この日フライの人は皆無でした。散々ルアーを流した後でライズもあるという妙な環境下、ヨーロピアンニンフというフライを3本付けたミャク釣りスタイルで流しました。すぐにヤマメと、今日最初のニジマスがヒットしました。その頃にはみぞれが雪になり、寒さ(気温2度)も増してきたので、今日はこれでよしとして上がりました。

 多摩川の羽村エリアは堰下に21日、堰上には29日に放流の予定です。解禁日ほど混んでいませんので、暖かい日にぜひお出かけください。遊魚料は日釣り2000円、年券が6000円と激安ですが、堰の上と下では管轄する漁協が違うのでご承知おきください。

 昨年秋の台風で川が荒れていますが、魚は残りやすい状況になっていると思います。(東京海洋大学客員教授)

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