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水面ニジ連発で春待つ 小菅川の冬限定釣り場が楽しい

[ 2020年1月18日 07:17 ]

釣れたニジマスは丁寧にリリースする筆者
Photo By スポニチ

 【釣遊録】多摩川の上流は山梨県で、2つの川が奥多摩湖に流れ込んでいます。そのうちの一つ、小菅川の渓流魚解禁日は3月1日ですが、真冬でも釣りができる冬季ニジマス釣り場が設置されています。ここはルールがキャッチ&リリース(C&R)で、釣り方はルアーとフライのみです。ハリはシングルフックのバーブレス(カエシなし)です。
 
 昨年、秋川流域に設定された「ルアー・フライ専用区」は、東京都からの指導で「ルアー・フライ優先区」に変えた途端に餌釣りの餌食になり、魚はいなくなってしまいました。世の中には釣りを存続させるために魚をリリースしたい人と、釣ったら持って帰る人がいますが、そろそろ持って帰ったらいなくなることを理解し、小菅川のようなC&Rエリアが当たり前のようにあちこちにできたらいいと思います。
 
 日光の中禅寺湖が釣れるようになったのはC&Rのおかげだということは周知の通りです。いつでも魚が泳いでいるのがC&Rエリア、他の場所では持ち帰っちゃうから魚がいなくなる。そういう事実を未来の釣り人に教えるためにも、C&Rは必要です。

 さて小菅川のC&Rでは、ユスリカが冬でも羽化しますから、それを食べるニジマスを狙ってミッジと呼ばれる極小フライで釣ることができます。

 今月中旬に出かけたこの日は午前中遅く現地へ着きましたが、水が濁っていて魚は全く見えませんでした。それで釣りをしないで「小菅トラウトガーデン」に行きました。

 雨がやんだ午後、C&Rエリアで釣り開始、濁りは時間がたつにつれて収まり、魚が水面で捕食する「ライズ」が始まりました。最初はあまりにも小さな波紋だったのでニジマスではなく、アブラハヤかと思っていました。

 釣りを開始すると日がさしてきてさらに濁りがとれ、ユスリカの羽化も活発になりました。ライズの主も見えるようになり、それはニジマスだと分かりました。獲物が小さいので派手に捕食していなかっただけのようでした。「ライズする」=「魚は水面で餌を食べている」と教えてくれています。そこへミッジを何度も投げましたが、なかなかヒットしませんでした。糸が細いとはいえ、フライも小さいので、川の流れに引かれて不自然に流れるのでしょうか?それとも見破っているのでしょうか?

 ミッジのパターンもいろいろと変えているうちに待望の1匹目がヒットしました。十分に引きを味わいラバーネットですくいました。釣った魚にはリリースされた大きな傷あとがありました。バーブレスフックを使っていない人(違反者)に掛かってしまったのでしょうね。私はその魚を丁寧にリリースし、次の魚を狙いました。

 ライズが続く限りミッジで釣りましたが、短い真冬の日差しが陰るとすぐにライズはなくなりました。その後、ウエットフライを試してみたら、連続ヒットがありました。

 水面で捕食する魚はごく一部だったのだということも分かりました。それでもやはり水面で釣るのは面白いです。2時間で計15匹釣りました。

 小菅川のニジマス冬季釣り場は2月末まで、3月1日のヤマメやイワナ解禁からはC&R区間は大きく広がります。是非お出かけください。(東京海洋大学客員教授)

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