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勝負師ワラった 最後にサワラ 「趣味パチンコ」坂倉さん粘って本命大当たり

[ 2019年12月27日 07:20 ]

勝負根性でとうとう仕留めた                               
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 【根ほり葉ほりおじゃま虫ま~す】いつになく東京湾の浅場ハンター、サワラが好調だった。タチウオ、イナダも顔を出し連日沸いた。興奮の余韻を味わいにルアーならお任せ!深川・吉野屋の青物船におじゃま虫ました。(スポニチAPC・町田 孟)

 シーズン終盤。それでもと狙いに来たのが坂倉達男さん(63=朝霞市)だ。今年4回目。過去3回ともオデコなし。「合計5、6匹かな」。タチウオは釣りまくり状態で「冷蔵庫にあふれている」。目先を変えたかったのに違いない。

 釣り歴は45年を超える。当初はハゼなどの陸(おか)っパリ。やがて堤防のクロダイへ。こうなると病膏肓(こうこう)だ。しかし「一時期全く釣れなくなってねえ。ふとルアーを投げてみたらヒットしたんですよ」。管理釣り場などでも腕を磨くうちに“両刀遣い”に。

 認知症の出かかっていた母・よし子さんをイワシ釣りに連れ出したこともある。「三崎の堤防でサビキで。喜んでねえ」

 仕事は「電気工事関係」。企業に勤めた後、実家のあった町田市で独立した。27歳だった。「趣味は散歩とパチンコ」。スキー、水泳なども楽しんできた。「子供ができてからは特に。キャンプもやりましたよ」。よほど好奇心が強いのだろう。パチンコ武勇伝もある。「1日で30万円もうけたことも。出過ぎて帰ろうにも帰れなかった。スロットでは25万。トータルでは負けてますけど」

 そこで養った勝負魂を見せつける場面が訪れる。当日は不運続き。タチウオを船べりでバラし、本命をかけたが網入れ寸前でラインブレーク。さすがに悔しそう。流れからオデコの懸念もあった。が「最後まで何が起こるか分からないから」。粘りきった。終了近くにヒット。グングン糸が出ていく。時間をかけて取り込んでみると腹の皮1枚にハリ先が引っ掛かった状態。「さっきよりドラグを緩めておいた」のが幸いした。少しでも締めが強かったら身切れするほどの際どさだった。

 長男、長女は独立して家を出ている。母を亡くし、4年前に「実家を整理して」現在の地に移った。訳あってカワユイ相手と同居中。10歳になるチョコ(ヨークシャーテリア)とモモ(チワックス)。お散歩のお供だ。「3年前に大腸がんを手術した」。予兆はなく健康診断で発見された。1カ月半の入院は「つらかったなあ」。語る口調に暗さはない。今、一番楽しい時間を過ごしているのかもしれない。

 ○…高橋郷船長がお手本の技で4匹をゲット。「とにかく根気よく投げ続けること。遠くに飛ばす技術も必要。まだボイルも見えるのでやれそうだが…」。年内いっぱいがメドかも。

 ○…左舷トモに構えた石坂淳一さん(52=横浜市)は地方公務員。ローテーション職場なので“ウイークデー休日”。ルアー一辺倒ではなく季節ものを狙って30年になる。「友人からヘビーシンキングの赤金ミノーしかヒットしないぞと言われた」。忠告に従い早々と2匹仕留め余裕だった。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、深川・吉野屋=(電)03(3644)3562。出船は午前7時。乗合料金9800円。

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