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淡雪仕立て ラ“グジ”ュアリーな味わいに 繊細なやりとりも楽しめるぜいたくな時間

[ 2019年11月3日 07:05 ]

海面から上がってきた色鮮やかなグジ
Photo By スポニチ

 【一釣一品食べま専科】グジの淡雪仕立てを食す。アマダイの蕪(かぶら)蒸しね。料理が京風なんで、ちょいと気取ったわけ。マグロ熱の相模湾にも小さい秋が。平塚・庄三郎丸で微細と鋭敏とのハーモニーを久々に楽しんだ。(スポニチAPC・町田 孟)

 英語ではタイルフィッシュ(Tilefish)というらしい。分からんでもないが色気ないじゃあないの。例の、濡れてとろーんとした目つきと、しっとり肌。ここは和服を着せたいや。で、見返らせてごらんなさいな。ゾクゾクってなもんだ。

 かつて嵯峨美智子という妖艶な女優さんがいた。チト古いが、いがったぜ~。「こつまなんきん」。今東光の同名小説が映画化された際の主演で、はまり役だった。本来は浪速の伝統野菜で小ぶりなカボチャ「勝間南瓜」だが小股の切れ上がったいい女の意味にも。つまりおいしいってこと。ムフフフ。いま風なら高島礼子、鈴木京香ってとこか。決して外股で歩かないものナ。

 【釣戦】船宿の仕掛けは幹・枝とも3号2メートル。海底に身を潜めているのを意識して攻める。望月幸雄船長=写真=が教える基本は「底を1メートル切ってゆっくり誘い、仕掛けをふわふわさせる。当たりがあって掛からなかったらすぐ餌の点検。とにかくマメに」。

 ところが当日は深さ100メートルで二枚潮。教科書通りとはいかない。「イメージが浮かばなければガン玉をつけるのもいいかも。タナを低くしたりね」。臨機応変の対応も必要になる。引き出しの数と想像力。硬化した頭の体操になるね。

 【クッキング】中型の半身を2つに切り分け軽く塩を振る。汗をかかせてからサッと湯で汚れを洗う。水気を切って深めの皿に。カブをすりおろし、泡立てた卵白と混ぜて薄く塩味をつける。戻したきくらげの細切り、キノコとともに魚の上に盛り上げる。ニンジンなども彩りになる。ラップをして7、8分蒸す間に、くずアン作り。だし汁に塩、しょうゆ、みりん(好みで)で味付け。片栗粉でとろみをつけ蒸し上がった魚の回りにかける。

 前のめりの家人。ご満悦で「グーッ。上品!うまみが際立つ」。ババシャツのぞかせて振り返られてもねえ。

 ○…川野泰輔さん(52=座間市)は有休を取ってきたものの、ご機嫌の悪い海に悪戦苦闘。小キダイの猛襲に、たまさかの本命も型が小さかった。それでも後半に32センチを追加してやっと笑顔。ボディーボードが趣味の、ちはる夫人(47)と6歳、4歳の男の子の4人暮らし。休日には家族連れで「堤防や海の公園で楽しむ」。優しいパパがアマダイで囲む団らんのひと時は無論「鍋です」。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、平塚・庄三郎丸=(電)0463(21)1012。出船は午前6時、乗合料金9500円(餌付き)。

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