ヒラマサが結んだ 桜多氏と本紙の“はじめて物語”40年の絆

[ 2019年8月25日 07:24 ]

イラスト・桜多吾作
Photo By スポニチ

 【幸せになりたかったら 釣りでおぼえなさい】「マジンガーZ」や伝説の釣りマンガ「釣りバカ大将」などの作者・桜多吾作が自らの釣り人生を振り返る。スポニチとの長い付き合いは一本の電話から始まった。(イラスト&文・桜多 吾作)

 1981年(昭56)6月、八丈島の磯釣りでヒラマサが爆釣。体の節々が筋肉痛だったがウキウキした気分で帰宅した。そうしたら見も知らぬスポニチから電話があったと家内が言う。指定された番号に折り返すと、「社に来てもらえませんか?」。磯釣り仲間が何かしでかしたか?と当時、東京・港区金杉橋にあったスポニチの本社へ出掛けた。

 古びた社屋にエレベーターはなく、全身筋肉痛で階段を上る姿は油の切れた機械人間風。3階の編集部はタバコの煙でかすみ、天井からはザルがつり下がっていた。後で知ったのだがそこに書いた原稿を入れるためのもの。独特の活気と喧噪(けんそう)にのまれ待っていると釣り担当者が現れた。雑誌などの釣り記事や「釣りバカ大将」などマンガの連載を読んでくれていたようで「紙面刷新に協力してください」と言う。

 釣り雑誌に書いていた絵描きさんと1週間交代で釣りの入門編をマンガで描くことになった。以来、40年近くスポニチとのお付き合いは続いている。

 打ち合わせで2時間ぐらい編集部に滞在しただろうか。担当者が半紙を出して「顔を拭いてごらん」と言う。やってみたら半紙が真っ黒け。そういえば空気も黒っぽかった。

 スポニチでの初取材は軽自動車で行った。買って間もなかったのでアシスタントに運転してもらった。

 船釣りで釣れたのはワラサ5匹、マダイ2匹。アシスタントもワラサを3匹釣っちゃった。「初めてこんな立派な魚を釣った。父親に見せたい」と言う。

 発泡スチロールのトロ箱を買って魚を入れたが、水が漏れて買ったばかりの新車が生臭くなっちゃった。

 でも70センチ近い魚だもんな、気持ちは分かるわな。

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