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セミの美声に導かれ…捕らわれのトラウト 美しい40センチブラウンと出会う初夏

[ 2019年7月20日 07:53 ]

筆者が釣り上げたのは美しい魚体のブラウン
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】栃木県日光の中禅寺湖では、初夏を迎えると、一斉にハルゼミが、鳴き始めます。

 ハルゼミとはヒグラシほどの小型のセミです。このセミが水面に落ちた羽根をパタパタすると、水面に細かい波紋が広がります。そのうちにガボッという音と水しぶきが上がり、消えます。魚に食べられたのです。セミを食べるのはほとんどがブラウントラウト。このマスは特に中禅寺湖の初夏はとても人気があります。魚体が美しいのと、セミングと呼んでいるセミを模したルアーやフライで狙うのが面白いからです。

 30年前は、自分が下手だったこともあり、なかなか釣れませんでした。釣れたブラウンもほとんどの人がキープしていましたから魚影は濃いとは言えませんでした。

 11年の東日本大震災の原発事故以来、キャッチ&リリースルールにより、ブラウン自体の数は減っていかないので魚影も濃く、チャンスが大いに広がりました。レイクトラウトも同様です。

 ベストシーズンと言われるのは特に6月第1~2週の2週間。この時季、セミの大合唱があり、湖面にもたくさんセミが落ち、捕食するブラウンもフィーバーします。

 私の経験では昨年は、1日に20回以上出てきて、1匹ヒットして、バラし、興奮だけしてオデコという日もありました。中禅寺湖ファンのみんながそういう経験をしています。

 梅雨の合間を縫って民宿おかじんから中村渚さんとともに出港しました。

 予定は朝はレイクを狙い、その後にブラウン。湖面はガラガラでほぼ貸し切り状態でした。これなら頂き、と早朝は2人で10匹ほど釣れる予定でしたが、おごりでした。水温が上がってレイクも結構厳しく、2人で6匹でした。

 10時ごろからセミの合唱が始まったのでブラウン狙いに変更。
 午前中は桟橋周辺を攻めましたが当たりはありません。午後は山側へ直行。そこも貸し切りでした。

 するといきなり茶色の魚体が浮上し、セミのフライに食いつきました。40センチちょっとの小型でしたが、やはり中禅寺ブラウンはきれいです。
 大物をバラした後のヒットは下を向いている間に食いついたようで、ロッドがグーンと重くなったので気がついたらラインの先端が水中に突き刺さっていてその下で魚が暴れて外れてしまいました。
 それを引き揚げてすぐに打ち返したら、もう1匹いたのでしょうか? オスのブラウンが大きな口を開けてセミフライをパクッとやったのが見えました。
 それがこの写真のブラウンです。体高の高いカッコいいオスでした。(東京海洋大学客員教授)

 ▼釣況 上信越地区東日本釣宿連合会所属、中禅寺湖・民宿おかじん=(電)0288(55)0410。

◆“ポロシャツ効果”で村上さん総合優勝

 【釣り人掲示板】千葉県旭市の飯岡釣船組合主催「第4回初夏のヒラメ釣大会」(スポーツニッポン新聞社後援)が14日、飯岡沖で開催され、隆正丸など12隻に乗船。大物2匹の重量合計勝負で、第一進丸の埼玉県の村上和義さん(61=会社員)が4825グラムの釣果で総合優勝した。

 村上さんは、勤務する自動車部品メーカーで、社内の釣り部員15人のメンバーを束ねる部長。この日は部員2人とともに参戦していた。検量した2匹のうち1匹は4キロの大物。「当たりは小さかったから、ここまでのサイズとは思わなかった。最近は大型を釣っていなかったのでうれしいね」。釣り歴40年、進丸の常連で、この日は進丸オリジナルのポロシャツを着用。「私の腕での結果ではなく、このポロシャツの御利益。船長に感謝です」と謙遜しながらも「きょう来ていない部員に、会社で優勝を自慢します」と胸を張っていた。

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