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神の恵み…レイクトラウト70センチ

[ 2019年4月13日 07:12 ]

筆者のロッドを襲った巨大なレイク。解禁日ならではのご褒美だ
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】4月1日は日光・中禅寺湖の解禁日です。遊漁券は前日から販売開始するというので私たちは3月31日午後3時に到着。それほど混んではいないようでした。民宿おかじん桟橋周辺に場所を確保し、宿泊しました。

 翌朝3時、真っ暗な湖畔に出るとあちらこちらでライトが光っていました。夜行組がすでに到着しているのです。準備をしてスタートに備えます。

 そして5時。合図の花火が上がり解禁です。私は最初、22センチもあるブラックバス用のビッグベイト、ダウズスイマーを投げました。コレは遊び半分ではありません。中禅寺湖には30センチを超えるヒメマスやウグイを食べる巨大なレイクトラウトが棲息しているからです。

 昨年9月以降、誰も釣りをしていないので、そういう大物が目の前にいる場合にヒットする可能性があるからです。もし小さなルアーを使ったら大物が食いつく前に小型が食いついてしまい、そのチャンスを逃してしまうからです。

 ルアーは100グラムもあるので、ロッドはがまかつの磯用ルアーロッドを使いました。期待の1投目は当たりなしでした。気温は低く(氷点下6度)、いきなりガイドが凍りましたが、ドキドキしながらキャストを続けるうちに、隣で釣っていた友人の岡部保夫さんが40センチほどのブラウントラウトをヒットさせました。それから連発で3匹釣ったころ、私はビッグベイトを諦め、フライロッドを手にしました。

 しばらくして岡部さんが戻ってきました。その第一声は「奥山さんだけオデコ?」「え?」。思わず聞き返した私。「女の子もみんなフライで釣ったよ」とのことでした。

 自分だけ釣れていないので正直、焦りました。解禁日なのに。が、ビッグベイトはともかく、フライでみんな釣れていたことに驚きもありました。この時点で6時ちょっとすぎでした。

 私はスピニングタックルに手を伸ばしました。ロッドはダイワのシーマ86M、リールは40年前のアブカーディナル4。ラインはサンラインのキャストアウェイPE12ポンド(0・8号)、リーダーは同FCスナイパー12ポンド(3号)、そしてルアーはトリコロールスプーン14グラムでした。フックはがまかつのナノスムースコートTR―25の1/0に交換してあります。その第1投目、いきなり根掛かりしました。

 「アチャー、やってしまった」と思いながらロッドを立てていると、それが動きだしました。なんとヒットです。重々しい動きからそれがレイクトラウトだと分かりました。根掛かりのような当たりとはよく言いますが、まさかこんな時に。

 ポンピングを繰り返し、ジリジリとドラグが出ながら寄ってきました。

 岡部さんが巨大ラバー磯玉網を出して水面に姿を現すと「デカイよ」と言いました。私もすぐに大きさが分かり慎重にネットイン。

 それは解禁日ならではの神の恵み、70センチのレイク。魚類というよりコモドドラゴンを思わせる爬虫類(はちゅうるい)のような奇怪な姿でした。(東京海洋大学客員教授)

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