×

釣りバカの素質!? 釣って食べる幸せ 出版社の船釣り企画きっかけ

[ 2019年1月17日 07:21 ]

釣りをおぼえなさい
Photo By スポニチ

 【幸せになりたかったら 釣りをおぼえなさい】「釣り」は人生に何をもたらしてくれるのか?伝説の釣り漫画「釣りバカ大将」や「マジンガーZ」の作者としても知られる漫画家・桜多吾作の新連載「幸せになりたかったら釣りをおぼえなさい」がスタート。第1回は「僕はこうして釣りにハマった」(イラスト&文 桜多 吾作)

 吾作が釣りの世界に足を踏み入れたのは、出版社が企画した船釣りがきっかけだった。

 当時、僕はコミック誌「冒険王」に「マッハSOS」、「テレビマガジン」に「マシンザウラー」などの連載を何本かかかえていた。漫画家は1日中、机に向かっている不健康な仕事。青空の下で、潮風にあたりながらの釣りは魅力的に思えた。

 ところが当日は海が大荒れ。当然、釣り船も出られず、やることもなく地元の釣り具店で同行の先輩に選んでもらった投げ竿と大きなスピニングリールで海岸から狙った。最初の釣果はゴミだった。

 釣りを諦めた人たちはすぐ帰ってしまったけど、大きいリールも買ってしまった吾作はめずらしさも手伝って夕方まで風の吹く中、釣れない海岸で過ごしてしまった。釣りバカになる素質はここにあったのかな? 山形県の内陸部で育った吾作にとっては、食卓に上がる魚は棒ダラやアジの干物。ほとんどの魚は食べられなかったし、ウチでも積極的に食べようという意識もなかった。

 その後のこと。2カ月間、海の家を借り切って漫画家仲間と合宿をした。合宿といっても仕事をしていたのだが…。魚が食べられなかった吾作ともう1人、蛭田充さんは毎日、卵焼きを食べた。さすがに2カ月の終わり頃には卵焼きにも飽きて、少しずつ魚料理も手を出し食べるようになっていた。だが蛭田さんは不屈の闘志で魚介類から身を守っていた。

 蛭田さんは、永井豪さんのチーフアシスタントで野球漫画などを連載していたが、現在は故郷の福島へ戻って漫画の先生をしている。魚は食べるようになったのだろうか?

 吾作は今や魚が大好き。肉よりも魚を食べることが多くなっている。

 現在は冷凍技術の進歩も見違えるばかりで、冷凍とか生とか分けて考えることもなくなってきた。だがこんな時こそ自分で釣った新鮮な魚を食べられる幸せに感謝したい。

 「釣って食べる」これが吾作の釣りの原点だ。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る