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仕掛けも本命も重量級!心“タコづかみ”

[ 2018年12月19日 09:18 ]

横須賀さんは手釣りで3キロの特大
Photo By スポニチ

 茨城県那珂湊沖のマダコが湧きに湧いている。2キロを超える大型の重量感は、タコ好きのハートを鷲づかみならぬ8本の足で“タコづかみ”。仙昇丸に乗り込んだ。(笠原 然朗)

 120号以上の特大テンヤに餌のサンマは1匹丸のまま結ぶ。重量級の仕掛けが那珂湊仕様だ。

 「12月中旬なのに水温がまだ19度。もう少し下がらないと“渡り”は入ってきません」と話す菊地寿澄船長が船を向けたのは航程約20分の25メートルダチ。従って狙うのは“居着き”だが、今季は湧きが半端なく多かった。

 仕掛けを海底へと送り込み、サンマを躍らせるイメージで小突く。手釣りである。

 ネバッとした生体反応や違和感を感じたらそのまま小さく小突き続け、「乗り」を確認できたら大きく合わせる。仙昇丸では左舷側は手釣り、右舷側にはタコスッテなどを使った竿釣りの釣り人が入る。

 「これは大きい」。菊地船長がタモを構えて待つ間、糸をたぐっていたのはひたちなか市の横須賀和則さん(60=公務員)。そして海底の石を抱いて上がってきたのは3キロ。手釣りで「小突いて、仕掛けを上げて落とし込む、を繰り返しました」。

 開始2時間半。タコは私のテンヤに触りもしない。餌のサンマを新しいものに換えて結び直す。頭の中に流れる音楽に合わせてリズムをつくり小突く。

 ラフマニノフのピアノ協奏曲2番では乗らない。選曲を天童よしみの「珍島物語」に替えて、「?海の神様カムサハムニダ〜」と口ずさんだところでズシン!上がってきたのは1キロ超。那珂湊のタコはクラシックより演歌が好きなようだ。



 苦戦気味の手釣り組を横目に最終的に8匹を釣り上げ竿頭になったのは竿釣りの小山市・阿部隆さん(57=公務員)。電動リールを装着したヤリイカ竿を使い120号のオモリにタコ餌木を3本付け「底をトントンしてモタレや違和感を感じたら合わせる」釣法。餌木を使ったタコ釣りは4回目で、過去の釣果は順に17、11、3匹。「面白いですよ」

 今年も残すところあとわずか。タコ釣りも最終章を迎えた。



 サンマ餌のマダコテンヤ(オモリ150号)に餌木を合体させた“ハイブリッド”仕掛けで釣っていたのは宇都宮市の仲田邦夫さん(70)。「竿釣りだと合わせが弱いからバラしも多い」と言いながら7匹の釣果。アユも得意とする釣り名人は「10匹以上釣れないとダメだね」。好釣果にも納得がいかない様子だった。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、那珂湊・仙昇丸=(電)029(262)2010。集合は午前5時半。乗合料金1万円。

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