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“卒業証書”ならずもカンパチ87センチ 巨大魚の宝庫・南海トカラ列島で“熱闘”

[ 2018年12月14日 06:45 ]

本命ではなかったが釣れたのは巨大なカンパチ
Photo By スポニチ

【現役東大生釣りまくる!】東大法学部4年生の中村太郎。残り少ない大学生活の中で鹿児島県トカラ列島に遠征。狙いは特大のGT(ロウニンアジ)だったが…。

 トカラ列島をご存じでしょうか。鹿児島県の南に位置し、7つの有人島と、5つの無人島から構成されます。全島合わせても人口は700人足らず。島に渡る手段は週2回運行しているフェリーのみです。

 そんな辺ぴな島々を一躍有名にしたのが、島周りで釣れる巨大魚たち。黒潮が直接ぶつかるトカラ列島は、大物釣り師にとって聖地であり、巨大なロウニンアジやマグロ類、青物や底物のパラダイスです。

 なんとしても大学在学中に納得できる大物を仕留めたいともくろむ私は、憧れのトカラ列島へと遠征しました。大本命はGT。キャンプ場に1週間泊まり込み、ひたすら釣りをする生活です。今回の同行者は九州大学4年生の遠藤詢介君。九州大学の釣りサークルの元部長で、筋金入りの釣り好きです。

 合計25キロのキャンプ道具や釣り具を抱え、はるばる東京から鹿児島へ。そしてフェリーに乗り込み、翌早朝にトカラ列島にたどり着きました。

 すぐに渡船に乗り込み、島近くの一級沖磯に渡礁。ダイビングペンシルやポッパー、ジグで幅広く探ります。

 夜が明けるにつれて潮が走り出し、いかにも大型魚が潜んでいそうな雰囲気に。しかし、予想に反してなかなか反応を得られません。粘り強く、ひたすらルアーを投げ続け、回遊を待ちます。

 完全に日が昇った午前10時すぎ、沖に投げたダイビングペンシルの後ろに2匹の魚が付いてきているのが見えました。デカい!そのうちの1匹がダイビングペンシルに食らいつき、一気にハエ根の下に突っ込んだ。もの凄いパワーです。ドラグはうなり、ロッドを立てることができない。必死で最初の走りを耐え、動きが止まったところで反撃開始!必死でリールを巻くも、何度も根に突っ込み、その度にリーダーが手前の岩にこすれる。

 遠藤君の的確なアドバイスを受け、全身全霊でファイトした結果、ようやく魚が浮いた。遠藤君がギャフ掛けしてくれて、ついに仕留めた!87センチの大型カンパチ。磯から釣れるサイズとしてはかなりのサイズです。

 10メートルとったフロロ50号のリーダーは上から下までボロボロ。ギリギリの勝負でした。遠藤君とがっちり握手を交わし、しばし喜びに震えます。

 その後は夕方までルアーを投げるも、反応はなし。一瞬の時合を制し、素晴らしい魚に出合うことができました。ありがとう、トカラの海。

 磯からの大物釣りは、常に根ズレの危険があり、非常に難易度が高い分野です。今回も、少しでも判断を誤っていたらラインを切られていたでしょう。今後も最難関のフィールドである磯から、大物を狙い続けるつもりです。巨大なGTを卒業証書として、大学生活を終えたいですね。

 ?中村 太郎(なかむら・たろう)。1996年(平8)生まれ、東京出身。東大法学部4年生。10歳より渓流フライフィッシングを始める。現在は東大釣友会に所属し、磯からのヒラスズキや青物、サーフでのヒラメ釣りなどを楽しんでいる。

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