意外?美しい放流イワナ 適切なリリースで本来の姿に成長

[ 2018年12月1日 07:13 ]

芦ノ湖で筆者が釣ったのは、なんとイワナ
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 【奥山文弥の釣遊録】「水がきれいになった」。何年かぶりに箱根・芦ノ湖で岸釣りをしてそう感じました。ウエダーを履いて立ち込んでいると、5センチほどのウグイかカワムツかと思われるコイ科の小魚がたくさん集まってくるし、ヨシノボリもいました。

 芦ノ湖は12月14日まで釣りができます。とはいえ水温が下がるのは11月の中旬ごろからで、そのころ合いを見計らって出掛けてみたら、1回目は当たりもなく撃沈。水温が表層で16度もありました。

 釣れなかったのを水温のせいにしてその1週間後に再チャレンジ。今度は東京海洋大学卒業生の横山愛実さんと一緒です。

 朝イチは大型がヒットすると聞いたので、早朝から釣りを開始しました。

 雲ひとつなく快晴で、その代わり放射冷却が強烈でした。想像をはるかに超えるほど冷え込み、ダウンなどを着込んでいたのですが、日が昇るまでは寒さとの戦いでした。

 周りでは薄暗いうちから釣れていましたが、私たちは日差しを浴びてから本格的に釣りを開始しました。水温は14度でした。

 横山さんはスピニングルアータックルで餌釣りです。私はフライ。できるだけ遠投をと考えがちですが、なんと魚は足元にいました。秋は産卵期。本来なら流入河川に遡上しているはずの魚たちも、芦ノ湖はそういう川が皆無なので、岸辺をうろうろしています。

 横山さんが魚を見つけイクラを目の前に落とすとすぐに食いつきました。

 それから強烈なファイトをしてラバーネットに収まったのは55センチのニジマスでした。うわさ通りに各ヒレがピンと張った美しい魚でした。おそらく放流魚でしょうけれど、年越しで成長し、リカバーされた魚だと思います。このニジマスは彼女の自己記録になりました。

 見える魚は他にもたくさんいましたが、すでに釣られた後なのでしょうか?フライにはなかなか食いつきませんでした。しかしキャッチ&リリースの効果が出ていると言えますね。

 立ち込んでいる後ろでライズする魚もいて苦笑しつつ、私も浅い場所へフライを泳がせてヒット。それはニジマスではなくイワナでした。芦ノ湖でイワナ?イメージが湧きませんが、放流魚が成長したものです。ニジマスの卵を狙って浅場へ来ているのでしょうか?イワナの産卵はもっと水温が下がってからなのでまだ早いような気がします。

 芦ノ湖は釣り人も減ったため放流予算も減って大量放流の湖ではなくなったそうです。それゆえに残って年越した魚たちは本来の姿のように美しい姿に成長しているものも多いということです。

 釣っても殺さない。適切なリリースを続ければ、魚たちはリカバーします。芦ノ湖の未来に大いに期待します。(東京海洋大学客員教授)

 ◇東京海洋大学フィッシングカレッジ 12月3日の講師は怪魚ハンターの第一人者、小塚拓矢さん。彼がなぜ冒険を続けるのかをお話します。午後6時半から8時。品川キャンパス白鷹館1Fにて。入場無料、予約不要。筆記具持参のこと。

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