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欲張りエンジョイライフの72歳 マダコ→キス→アナゴ 欲張りリレー船で出会った

[ 2018年8月14日 07:18 ]

市川さんはキスの合間にマコガレイをゲット
Photo By スポニチ

?04 マダコ→キス→アナゴ。江戸前小物3種を順繰りと。欲張りなリレー船は南六郷・ミナミだ。昼出船で夜8時過ぎまで。納涼も兼ねて、おじゃま虫ました。(スポニチAPC 町田 孟)

 出船前、やおら「これ食べて。みんなに回して」。ビニール袋が渡された。けげんな顔を制するように「タコの薫製ね」。市川毅さん(72=川崎市)の自家製だ。

 いそいそと取り出したタコの道具。見るからにテンヤは自作だ。くくりつけられたカニの腹には脂身が巻かれている。「いつもはブタなんだけど、なかったから牛で。えへへ」。さらにクリスマスツリーにでも使いそうなキンキラキンの装飾まで。創意工夫の効果を試すのも買うのとは違う満足感がある。実は薫製器も「自分で作った」。好奇心旺盛で凝り性。

 「何をおいてもこれ」。釣り歴50年。月に3、4回のペースで出掛ける。イカが好きだが、5月にはヒラマサ4匹、ワラサ1匹いずれも5キロ以上で「クーラーが持ち上がらなかった」。昨年は25キロのマグロを仕留めて「今年もいよいよシーズン」とイレ込んでいる。

 都内のタクシー会社の整備を担当。4時起床、5時出社。「本来は6時始業ですが少しでも早く見てあげられれば」。その代わり昼までの勤務にしてもらっている。超フレックスタイム実践者だ。再就職して7年。いまだ現役なのも「思い立って44歳で2級整備士の資格を取った」からだろう。会社の釣り部の世話役的存在でもある。 

 器用で多芸多趣味。午後が丸々空くのは好都合だ。週3回から4回のフィットネスクラブで水泳。「水中エキスサイズもやって5年で10キロ痩せた」。すでに8年目を迎えた。月2回は「篠笛」の稽古。盆踊りでもおなじみ、あの“ピーヒャラ”。「町内会の祭りでやろうということになって」。もう21年になる。

 さらに3年前からバイキングが始めたといわれる「クッブ」なるマキ投げ遊びグループにも参加している。

 家族は純子夫人(68)と1男1女。会社員の長男と同居、長女は1人暮らし。ともに結婚の意思はないそうで「孫が見たいんだけれど仕方ないですね」。唯一の不満?を除けばうらやましいほどの充実ぶりだ。「それもこれも働かせてもらっているから。正直、年金だけじゃあ」。老後どこ吹く風、エンジョイライフの真っただ中にいる。

 ○…安達伯任船長の長男・祥一さん(28)が来月、船長デビューする。元球児で「高校卒業後、ぶらぶらしていたけれど、一念発起して」。丸3年、厳しい親父さんの下で修業し晴れの日を迎える。安達船長は「自分のやりたいものからボチボチと」。素っ気なさを装いながらもうれしさを隠し切れない様子だ。新米君の目標は「初めての人でも楽しんでもらえるような船頭」。1メートル82、85キロのガタイを生かし、末はミナミの帝王?いや艇王か。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、南六郷・ミナミ=(電)03(3738)2639。正午出船。リレー船は乗合料金1万円。

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