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不発も大きな一歩 カジキの絆 JGFA40周年大会に即席チームでトライ

[ 2018年7月28日 17:45 ]

カジキ釣りに挑んだ左から山下さん、筆者、秦さん、村上さん
Photo By スポニチ

 【釣遊録】「釣り師はやたらと会をつくる癖があり、それがまた分裂しやすいというのも特徴のようですが…」というのはかの文豪、故・開高健さんの言葉ですが、ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)は今年で創立40周年。1979年(昭54)に設立され、00年にはNPO法人として再編成されました。

 スローガンは「いい釣りいつまでも」と、釣りや魚が棲息する環境保全の啓蒙(けいもう)、そしてIGFA(国際ゲームフィッシュ協会)の日本の窓口として、IGFAルールで釣った魚の公式な日本記録認定、そして世界記録申請へのサポートをしています。釣りにルールを設けフェアに戦おうとする理念を私は大いに評価しています。また文化的に公認記録として残すということもいいことだと思います。

 今年2月、JGFAの名誉会長・岡田順三さんから電話がかかってきました。「今年は40周年記念だから、カジキ釣り大会に出ないか。タックルは3セット貸してあげるから」と。

 早速、友人のユーチューバー・秦拓馬さんに声をかけると二つ返事でOK。彼の友人でやはりユーチューバーの村上祥悟さんも誘ってくれて、私のクラブのメンバーの山下潤さんも参加することになりました。チーム名は秦さんのユーチューブのブランド「俺達。」と私のクラブ「フィッシュ&フィンズ」混合なので「俺達。&フィンズ」になりました。皆さんカジキは釣った経験がありません。

 そんな4人でレンタルタックルを中心に、自前の道具を準備し3日間、トーナメントに挑みました。チャーターの遊漁船船長にも初心者であることを伝えました。

 初日は開始早々、村上さんのレンタルタックルにヒットがありました。ルアーは岡田さんオススメのボビーブラウン。しかし200メートルぐらいラインを引き出されたところでバレてしまいました。

 当然、その後にも期待しましたが、2日目も当たりがありませんでした。他の船は次々にヒットしていてタグ(標識)を打ってリリースするチーム、持ち帰って検量するチームがあり、本部前はにぎわっていました。

 3日目はいよいよ最終日。気合の入ったこの日、開始早々に秦さんのロッドにヒットがありました。「ついにきた!今度こそ」。誰もがそう思い、他の仕掛けを回収し終わり、秦さんがファイトチェアに座った時、「あ、外れた。重さを感じない」と秦さん。巻き戻してみるとラインは切れていました。

 すぐに仕掛けを作り直して投入、それなのに当たりはなく午後2時のストップフィッシングの時間は刻一刻と迫ってきます。最後の奇跡を信じましたが、ストップの5秒前に他船でのヒットコールがありましたが自分たちにはそれが起こりませんでした。

 「なんだ釣れなかったのか」と単純に思われる方もいらっしゃることでしょう。しかし私たちにとっては大きな一歩です。カジキ釣りは素人でも他の釣り歴は長い4人がそう思うのですから。新しい発見と出会いがあったことにも感謝したいです。可能性を信じてチャレンジすることの重要性も再認識しました。(東京海洋大学客員教授)

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