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自信毛バリ健在 ヤマメ連続ヒット テンカラ日和

[ 2018年6月15日 07:22 ]

新緑の渓流で竿を振る
Photo By スポニチ

 【渓流釣れ釣れ記】長期の天気予報ではこの夏、厳しい暑さが予想されている。現在も寒暖の差が激しく、不順な状況だ。渓流釣りは季節の推移に気を使う釣りである。水温の動向が水棲昆虫の羽化に密接な影響を及ぼすため、毛バリ釣りにあっては特に気になるところだ。(スポニチAPC 綾部 丹堂)

 古い付き合いの和竿屋さんから、テンカラの普及に力を入れたいので、テンカラのラインと毛バリの見本を作ってほしいと頼まれた。

 ラインに関しては試行錯誤の結果たどり着いた、バランスのいいラインの作り方を教えることができたのだが、毛バリについては、なかなか悩ましい課題になった。というのは、釣り人によって使っている毛バリが実は十人十色というのが分かっているからである。

 自分が使っている毛バリはといえば、長年試した結果としてたどり着いた自信の毛バリがあるが、それが絶対的なものとは言えないのを承知している。

 以前、毛バリ釣りを得意とする何人かの釣り人の、毛バリ特集が掲載された本が出版されたことがあった。

 筆者もメンバーの一人に選ばれたが、それぞれの毛バリの独自性とうんちくには、いささか驚きあきれた記憶がある。

 しかもそれぞれの毛バリは釣り人には自信の毛バリで、釣果も上げているのだ。

 毛バリの見本をと言われると戸惑いを感じることになるのは、この記憶のせいである。

 何種類かを巻いてみるということも考えたが、結局は金ラメの下巻のゼンマイ胴にメスのキジの胸毛のソフトハックルに、白の上巻というオンリーワンに決めた。

 これが自分の自信毛バリであると、たどり着いた結論である。

 このオンリーワン毛バリの確認と日並みに誘われて、出かけたのは南会津の伊南川支流の舘岩川となった。

 舘岩川は上流部から中流域までの10キロほどが、テンカラ、フライフィッシングのキャッチ&リリース区間に設定されている。

 漁協によれば、放流はヤマメの稚魚放流のみで、成育は自然任せということである。

 この日、上流部は水量が少なく、平場ながら流れに変化の見られる中流域の森戸橋下流への入渓となった。

 入渓時間は正午少し前、魚の活性が高まる時間を予測して、テンカラならではのことである。結果、この想定はぴたりと当たったようである。

 まずは落差のある段々の流れが開きにかかるポイントへの1投目で、魚影がきらめいてラインが走った。

 手元に寄って来たのはきれいな魚体のヤマメである。漁協のいうところの、成育は自然任せという魚体である。精いっぱいラインを走らせた活性も自然育ちの証だろう。

 丁寧にハリを外しリリースしてやる。

 次に段々上のポイントで再び水面が割れラインが走った。何とも気持ちのいい連続ヒットとなった。

 真っ青な空の下、気温も上昇する日中、わずかな区間でヤマメが次々とヒットする。まさにテンカラ日和である。

 その後移動した舘岩川支流の湯ノ岐川では温泉前の平場でイワナがヒットした。

 ここでもテンカラ日和、オンリーワンの自信毛バリは健在である。

 ▼釣況 南会津西部漁協舘岩支部=(電)0241(78)2110。

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