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卒業までハジけろ!今年ヒラメ10匹目 4年生“残り時間”満喫

[ 2018年4月24日 07:12 ]

早々と1キロ級を手にした田中さんだが…
Photo By スポニチ

 【根ほり葉ほり おじゃま虫ま〜す】相模湾にシコイワシがなだれ込むと海底はにわかに騒がしくなる。カサゴが狙いを定め、ヒラメはさらに大口を開ける。トドメは人間様。食物連鎖の茅ケ崎・沖右衛門丸へおじゃま虫ました。(スポニチAPCk町田 孟)

 「毎週通って来る学生さんがいる」。宿で耳にした一言。サークル活動をしているのだろうか。それにしても週一とは。

 田中俊さん(21=横浜市)は、なんと電動リールに置き竿。理由はすぐ判明した。餌のシコをもう1本の竿で確保すると、すぐさまヒラメ仕掛けにつけて投入。効率を考えての作戦とみえる。

 硬めのアジ竿でもすぐさまカサゴを掛けた。常道から外れたようでも、われ関せず。二刀使いでいつの間にかヒラメ2匹を追加。その後は振るわず、いささか不満?だったかも。本来は肉食派だ。それでも釣りにはまるのは、リアルな動きが伝わってくるからなのだろう。

 関東学院大学の4年生。学内では特別仲間を募っているわけではない。

 「よく一緒するのは小学校からの友人2人。ワイワイやるのがいい」。船歴は10年。「キスもアジもやるけれど、特に泳がせが大好き」。ヒラメも生餌を使うのでお気に入りの一つだ。「掛かった瞬間の重量感とドキドキ感がたまらない。あとは無心で」。今月に入って8匹を上げていて、2匹追加、2桁に乗った。アジで狙うワラサも得意だ。「5キロ」が自慢の1匹。

 JR戸塚駅近くのコメダ珈琲店で3年間アルバイトをしている。毎週通う資金源でもある。酒が一滴も飲めないのも幸いしていそうだ。「厳しいけれど、親に迷惑は掛けられないし」。スネのかじりっ放しではない。釣った魚は全てさばき、料理も作る。夏には「マグロに挑戦したい」。両親と姉を交えた食卓は、より華やぐに違いない。

 ただ今就活の真っ最中でもある。希望は自動車メーカー。ただ「ディーラーではなく、部品などを扱う営業」。工学部系ではないのにユニークな志望だ。

 「子供のころから車が好きで、メカにも興味があった」。20社ほど訪問予定のうち15社は済ませた。単位も「あとはゼミくらい」。今のところ時間はたっぷりある。社会人になれば、おいそれと竿を出すわけにはいかなくなる。それまで「思い切り遊んでおきたい」。万が一、世間の荒波にもまれても海は大いなる母。癒やしの場を確かなものにするために青春のラストスパート。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、茅ケ崎・沖右衛門丸=(電)0467(82)3315。出船午前6時半 料金8000円。

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