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誘ってワカサギ祭り289匹 ポカポカのドーム船でほのぼの楽しい

[ 2018年2月12日 08:00 ]

棚村さんは大・小のダブルで釣り上げた
Photo By スポニチ

 【釣り日和】長野県野尻湖のワカサギが活発に釣れている。今季はすでにトップで400匹超の日も。氷点下の日も屋形船(ドーム船)の中はポカポカ。ひたすら数を狙うのもよし、仲間や家族で和気あいあいと。楽しみ方は無数にある。 (笠原 然朗)

 今冬は寒さ慣れしたせいか、氷点下4度もさほど…だが、湖に浮かぶ屋形船の中は28度。石油ストーブの上ではやかんのお湯が沸く。厳寒の雪景色とは別世界だ。

 細地袖バリ1・5号5本バリに、半分に切った白・紅サシを付けて、1・5号のオモリを投入する。

 野尻湖のワカサギは深場を釣る。この日の水深は25メートル。着底した途端に当たり。聞き上げ、しっかり合わせて、小さな命の震えを竿先に見ながら上がってきたのは湖の妖精、7センチほどのワカサギだ。

 「今季は魚影も濃くよく釣れています。当歳魚のほかに10センチ超の2年魚も交じります」と話すのは小出広船長だ。ダンディーな81歳。たまに船長室から出て船内を回り、釣れていない人には的確なアドバイスをしている。

 隣席で釣っていたのは長岡市の棚村和宏さん(47=会社員)。ワカサギ釣りを始めたのは今年から。野尻湖と桧原湖に「週3回通うことも」。

 両手でパソコンのマウスのような電動リール付き竿を操りながら、「今は面白くてしようがないけど、難しさも感じています。名人と隣同士で釣っていて、なんでこんなに(釣果の)差が出るの、と思うときがあります」。

 外界と遮断されているせいか船内にはまったりとした空気が流れている。船長室のラジオから聞こえてくるのは国会中継。「少子化は国難…」。ここにいるとセンセーたちのやりとりが茶番に聞こえてくる。ここにいなくてもだが…。

 パタりと食いが止まる。「誘い続けた方が当たりが出ますよ」と棚村さん。「掛けた」と思っても、25メートル巻いてくる途中でバレてしまうことも多い。

 周りが釣れないときも、誘い続けて当たりを出していたのが新潟市の相田豊さん(51=会社員)。ワカサギ釣り歴は約20年。「最大のコツは誘うと同時に聞くこと」。調子の違う竿の穂先を8本持参しており、活性や釣れる魚のサイズに合わせてタックルバランスを考えながら使い分けていた。釣果は船中でも断トツの289匹。

 ワカサギの達人も、「釣り方が分かってきたのはここ3年ぐらい」。ますます奥が深い釣りなのだ。

 釣り期は4月1日まで。「これから数釣りが望めます」とは小出船長の話だ。

 貸し竿の手巻きのリールで仲よく釣っていたのは長野市の武田翔平さん(26=会社員)と武田ありささん(24=同)。名字が同じなのは今は偶然だが、近い将来同じになるという。翔平さんは野尻湖のワカサギ釣りは3回目。今回が初めてというありささんは「10匹釣るのが目標でしたが11匹釣れました」。

 ▼釣況 上信越地区東日本釣宿連合会所属、野尻湖・野尻湖マリーナ=(電)026(258)2629。出船は午前8時。納竿は午後3時。遊漁料700円。乗船料3700円。

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