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このゆびと~まれ

【第9回】深日小の運動会

[ 2020年4月27日 05:00 ]

人気競技「和大生と走ろう」では、和歌山大の学生が司会をし、子どもたちが自分に合ったハンデを決めて体育専攻の大学生と本気で50m走を勝負
Photo By スポニチ

 数年前まで深日(ふけ)小と言えば、「運動会」と言われるくらい気合いが入っていました。しかし、児童の減少で、「今まで通りの運動会」として開催することが困難になってきたのが今から4年前です。

 2019年度の5、6年生の合計は25人(6年生19人、5年生6人)。この人数では安全で安心な組体操を行うことは極めて難しいからです。運動会自体も規模が小さくなってしまいます。

 しかし、これまで実施したことを、すぐに中止することはできません。体力づくりに力を入れてきたのに、披露する場をなくすことは許されません。児童、保護者の気持ちや思いに十分に配慮し、納得してもらう必要があります。

 そこで17年度の運動会から、地域の人や大学生も参加できる運動会にリニューアルしました。毎年、試行錯誤しながら答えを見つけている途中です。

 重要なポイントは「みんなで楽しむ運動会」ということです。
 小さな子どもからお年寄りまでが参加でき、体を動かす楽しさやすばらしさを感じてもらえるようにしています。

 全校で綱引きをした時は、和歌山大の学生が応援団を務めてくれました。教師と和歌山大生がチームを作り保護者と綱引きをしたこともあります。

 幅広い世代に参加してもらうために、ルールを工夫した玉入れを実施した年もありました。

 毎年、競技種目や内容、開催時間を変えながら誰もが体を動かすことの楽しさや、すばらしさを感じられるものを目指して試行錯誤しています。競技に参加しなくても、楽しく運動している姿を見ることで伝わってもいいと考えています。

 まずは「運動」を自分の身近に感じてもらうことが第一歩ではないでしょうか。

 では、今日はこのあたりで、このゆびと~まれ。
                 (岡田良平)(次回掲載は5月4日)

 【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。

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