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このゆびと~まれ

【第2回】現在の子どもたちを取り巻く環境

[ 2020年3月9日 05:00 ]

 深日小学校の5年生男女の体力測定の結果 2015年度から徐々に改善していき、2018年度には全国でもトップクラスの結果になる。
Photo By スポニチ

 唐突ですが、みなさんは体力に自信がありますか。「自信がある」と答える方のほうが少ないと思います。それは、子どもたちにも同じことが言えます。文部科学省の発表では昭和60年ごろから現在まで、子どもの体力は減少傾向にあるそうです。

 しかも、運動を行う子と、行わない子の二極化が進行しているとのことです。豊かな人間性や生きる力を養う上で大きな問題ですよね。社会全体で無視できない課題であると認識しているようです。

 イメージ的に都会の子よりも田舎の子の方が、豊かな自然に恵まれているから外で遊ぶ機会も多く、体力的にも優れているのではと思われがちですが、そうではないのです。

 スポーツ教室や、学校外でのクラブチーム活動など、運動する環境が整っているのはむしろ都会なんです。少子高齢化が進む地区では、選択肢は少なく、通う場所も時間がかかるケースが目立ちます。田舎の子が自転車でぴゅーっと習い事に行くのは難しい状況なんです。

 それと遊ぶ友達と場所です。子どもの数が減ると、下校後に遊ぶ友達の数も必然的に少なくなります。都会のように身近に整備された公園や広場があるからこそ子どもたちも安心して楽しく遊ぶことができます。自然という環境の中で遊べることは素晴らしいことなのですが、同時に危険もともないます。

 それは深日(ふけ)小も同じことで、田舎に行けば行くほど外遊びや習い事のスポーツからは疎遠になってしまうんです。

 深日小の子どもたちも体力の低下は避けられない状況でした。全国の5年生で実施される体力測定の結果も芳しいものではありませんでした。

 そこで2016年、大阪府の『子どもの体力づくりサポート事業』の支援を受け、運動習慣の確立を目指しました。和歌山大教育学部の本山貢教授らに協力していただき、体力づくりのアドバイスを受けることになりました。
 この続きは次回に。ではでは、このゆびと~まれ!
(次回掲載は16日)
(岡田良平)

 【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。

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