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【きょうもセンベロ】外れなし!豚も牛も“本命”も…激ウマ肉に乾杯

[ 2016年9月9日 05:30 ]

居酒屋「馬力」外観
Photo By スポニチ

 秋の競馬シーズン開幕を前にセンベロライター・さくらいよしえが訪れたのは東京・錦糸町の「馬力」錦糸町南口店。競馬ファンが集う同店は、肉系スタミナメニューいっぱいの繁盛店。昼から始めて“痛飲馬食”の宴。馬勝ったなぁ~。

 わしは生肉に目がない。レバー刺しが幻の存在になってから生肉愛はますます膨らみ飢えたトラのごとくギラついている。

 本日、トラの目は真っ先に「生ホルモン刺し盛」(590円)を捕えた。 

 まず軽くボイルされた豚のコブクロとガツ。まあうまい。続いて生タン&生ミノ&生ハツ。

 …ものすごくうまい!まさかと思ったがこれらは牛のホルモンだ!

 感動に震えながら、「レバー刺し」を発見。分厚い。かむほどに荒ぶる血潮を感じる。こっちは馬だ!

 もうトラの体内では、豚と牛と馬が拮抗(きっこう)し、今にも発電できそう。

 「馬力」。そう、ここは競馬好きが集う店。よって馬肉や力が出そうなニンニク山盛りの料理が並ぶ。敗者の懐にも優しい300円前後が主流だ。

 競馬をやらない社長が、子息の名に「馬」がつくことから、競馬運にあやかろうと場外馬券場があるここ錦糸町に開店した。

 あやかるどころか、3連単を当てると1杯お酒がタダになる。瓶ビール1本を馬仲間が仲良く分かちあうステキな景色も。

 錦糸町と言えば多国籍パブに路上屋台が風物の一大歓楽街だが、「エラい人が本所警察に着任して以降、町はおとなしくなった」らしい。店内を見渡し、でも、と思った。

 「肩をもみ合いながら、バリキフライドチキンを食べる熟年男女はわけありか?馬友か?」

 「あの意味深なブロンドヘアは外国人?というか男?女?」(謎)。

 そして、「ホルモン炒めを競い合うように食べる細マッチョグループは何者だ?」(非番の消防士)。

 店内は、日々それぞれのシーンでバリキを必要とする人たちが一堂に会す町の縮図と化していた。

 店を切り盛りする丸山店長は、競馬歴25年。期待通りの馬好き男だった。レース日は、厨房(ちゅうぼう)を奔走しながら、店の大画面に声援を送る。

 「僕は常に大穴専門のフルスイング。1番人気は嫌いです」と胸を張る。

 客は皆、店長予想に熱心に耳を傾け、「それだけは外す」(笑い)。当たらないと評判の店長も過去一度、48万円の万馬券を命中させた。「年金、税金関係を一括で払いました」

 マジメか!

 じつは馬券より長い年月、包丁を握る和食職人。2時間後、金宮で作る秘密の美酒「馬力ハイ」と、日替わりの大穴料理をフルスイングしたトラはすっかりキバを抜かれていた。(さくらい よしえ)

 ◇馬力錦糸町南口店 開店は04年。「馬力」グループ店は新橋、渋谷、神田など都内に9店舗。錦糸町南口店は1号店。昭和テイストの“海の家風”な店内に、飲んべえのハートをわしづかみにするメニューで人気。肉メニューのほか旬の魚の刺し身なども充実している。割り物の焼酎(金宮だ)はいずれも濃い!店長の丸山文久さん(46)は厨房を担当。ひいきの馬は「ヒシマサル」「ヒットザターゲット」だとか。東京都墨田区江東橋3の5の2。(電)03(3631)2989。営業は通常正午から深夜0時。土・日曜の競馬開催日は午前10時から深夜0時。年中無休。

 ◆さくらい よしえ 1973年(昭48)大阪生まれ。日大芸術学部卒。著書は「東京★千円で酔える店」(メディアファクトリー)、「今夜も孤独じゃないグルメ」(交通新聞社)「にんげんラブラブ交叉点」(同)など。

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