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【メガネ女子店員の読書のカルテ】芸人さんのセンスに触れたい方に

[ 2015年7月29日 05:30 ]

 お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹(35)の小説「火花」が芥川賞を受賞し、全国の書店で大ヒットしています。そこで注目されているのが、お笑いタレントさんが書いた本。自叙伝はもちろん、斬新な小説もあり、その中からお薦めの“芸人本”を福家書店新宿サブナード店のメガネ女子店員・山川実恵さんに探してもらいました。

 相談客「火花あります?ピース又吉の」

 ありますよ。入荷したところから店頭に出しているので、ちょっとお待ちくださいね。

 相談客「やっぱり売れてるんだね。コンビで格差があるとかテレビで言ってたけどそんなに凄いの?純文学なんでしょ。カミさんが欲しがっちゃってね」

 文学界でも話題沸騰です。でも人気の秘密は読みやすさにあると思います。芸人さんが書いている本はそこに違いがあるような気がします。きっと普段からネタを書いてライブで反応を感じて修正している方々なので、共感力があるんだと。8年前になりますが、お笑いコンビ「麒麟」の田村裕さんの「ホームレス中学生」(税抜き1300円)から続いてますね。

 相談客「あったねえ!映画もやってたね」

 芸人さんとして強烈な「貧乏」を持ちネタにされて、きっとテレビで反応を感じていたんだと。200万部以上売れて印税2億円でも騒がれましたよね。最近使い切ったとか!話題がつくれるのも芸人さんならではです。

 相談客「芸人では他に誰が本を出していたっけ?」

 千原ジュニアさんの「14歳」(同457円)や品川祐さんの「漫才ギャング」(同686円)も自伝的小説です。でもこのスタイルって、ビートたけしさんの「浅草キッド」(同514円)、「たけしくん、ハイ!」(同590円)が基になっていた気もします。90年代ですけど。

 相談客「なるほどね。自伝とかじゃないのもあるの?」

 ありますよ。劇団ひとりさんだと、どこか日の当たらないユニークな人たちが織りなす笑いと涙の人間ドラマ「陰日向に咲く」(同495円)やマジシャンを題材にした「青天の霹靂」(同495円)がいいですね。「爆笑問題」の太田光さんの「文明の子」(同1600円)は地球ともう一つのパラレルワールドが描かれてますね。

 相談客「面白そうだね。店員さんの一番のお薦めは?」

 太田光さんが原著で絵本になった「マボロシの鳥」(同2857円)です。影絵作家、藤城清治氏が絵本化したもので見応えありますね。

 相談客「ほかに、お店にある“芸人モノ”でお薦めは?」

 注目してるのは、バカリズムさんが脚本を手掛けたテレビドラマ「素敵な選TAXI」のDVDボックス(同1万9000円)。竹野内豊さんの主演で、過去に戻れる不思議なタクシー運転手とさまざまな乗客の“人生再生”のエンターテインメントなんですよ。全10話のゲストも毎回凄くて。これは相当面白いですよ。

 相談客「いいね!じゃあ、そろそろ“火花”もらおうかな」

 話し込んでいる間に売り切れちゃいましたね。

 ◆山川 実恵(やまかわ・みえ)20代双子座B型の独身メガネ女子。広くいろいろな書籍も読むが、本当に好きな作家は星新一。ショートショートで物語の読み方を知る。身長と髪形もショートショート。

 ◇福家書店新宿サブナード店 福家書店は東京、大阪、神戸、福岡など全国で13店舗を展開。その中でも(1)キレイになる本屋をテーマにした雑貨と本の融合店(2)大容量のコミック売り場(3)各種サイン会やアイドルの握手会、著名人と会えるイベントが満載――という3点を特長とした新しい形の書店。

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