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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】

[ 2019年5月29日 12:00 ]

生島ヒロシ
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 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(68)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は50~70歳代に増加中の「突発性難聴」です。原因は不明で、文字通りある日突然耳が聞こえなくなる。2週間以上放置していると回復が困難。一刻を争う病気です。

 皆さん、こんにちは。生島ヒロシです。今日は耳のお話です。  年を取れば誰でも耳が遠くなってくるもの。でも朝起きたらとか、仕事の最中にとか、突然耳が聞こえなくなることがあるんです。これが「突発性難聴」。そう「突発」なんです。前兆らしい前兆もない。現代医学でもはっきりとした原因が分かっていないんですって。

 私はラジオの仕事では、左耳にイヤホンを着けてます。もう何十年にもなりますが、幸い聞こえづらくなったとかないですね。若いとき、ウォークマン(古い!)もそんなに使いませんでした。自分では、耳は大丈夫かなって思ってるんです。でも体は、どこの部位でも酷使すると必ずダメージがきますからね。「自分は大丈夫」は禁物です。

 【原因】特定されていませんが、これまでの研究で2つの説が言われています。(1)内耳の血流障害と(2)内耳のウイルス感染です。図<1>を見てください。耳は外耳、中耳、内耳に分かれています。(1)は内耳の血管が動脈硬化や血栓で詰まったり、けいれんしたり、出血したりすることで起こります。(2)は、風邪のようにどこかで感染するものではなく、帯状疱疹(ほうしん)のように自分の体内に潜んでいるウイルスが活性化して発症するものと考えられています。ただ今のところ、原因となるウイルスは見つかっていません。私が頼っている東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長で医学博士の石井正則先生によると、最近は(1)の血流障害説の方が有力になりつつあるそうです。

 【検査】耳鼻科で聴力検査です。しかも、あれっ?聞こえなくなった?と思ったらその足で耳鼻科へ駆け込んでください。発症から2週間を過ぎると回復する確率が低くなると言われていましたが、石井先生によると、今は即刻治療を始めないといけないという方向だそうです。放っておくと、低下した聴力がそのまま固定されてしまうからです。

 突発性難聴は徐々に聞こえなくなるのではなく、あるとき突然聞こえなくなる病気。いつ聞こえなくなったかはっきり覚えている。原因は分からなくても、ある意味、分かりやすい病気でもあります。また、聞こえなくなるのは片耳だけ。両耳というのは非常にまれです。

 【治療】内服か点滴による薬物治療が中心です。使うのは主にステロイド剤。ほかに血流を良くする薬もあります。基本は通院ですが、重度の場合は薬の量が多くなるので入院となります。突発性難聴は、治療して治るのは3分の1。聴力が若干回復するのが3分の1。残りの3分の1は治らないと言われています。

 【予防法】原因が分からないんですから、予防のしようがありません。ただ石井先生は「明確な前兆はないが、きっかけはある」と言います。発症したほとんどの患者さんが、疲労を感じていて、寝不足で、ストレスがあったというのです。石井先生いわく「体がある種のサインを送ったということ。“そろそろいいかげんにしたら”と」。確かにそうですよね。先日、私は帯状疱疹が出たんですが、その前に随分と忙しくて心配事も抱えてましたからね。体は正直なんです。

 仕事をしてれば疲れますし、寝不足にもなります。ストレスフリーというわけにもいきません。じゃあどうします?一日の中で短時間でもいいから、好きなことだけに熱中する時間を持ちませんか。意識してつくってみるんです。食べるのが好きだったら、一人で、職場の煩わしい人間関係は忘れておいしいものを頬張ってみる。プラモデル作りでも、絵でも習字でも何でもいい。私は最近、ネット配信のドラマにはまってるんですが、見ている間はほかのことは忘れて現実逃避。いいストレス解消になってます。

 次に、血流障害が疑われてるんですから、血の巡りが良くなることをしましょう。石井先生は「忙しい生活の中でも、週2回は心地よい汗をかく運動を」と勧めます。寝る前に大量の汗をかく運動はNGですって。興奮した状態が続いて睡眠の質が悪くなるからということです。

 私のお勧めは「グーパー体操」です。しゃがんで、両手はグー。伸び上がって、手をパーッと開く。これを繰り返します。朝ベッドから出たら、ひとしきりやってます。血が動きだしたな、という感じがしますよ。あと耳を上下に引っ張ったり、もんだりするのも日課にしてます。漢方の先生に「耳には全身のツボが集まっている」と言われたからです。自分では、いい刺激になっていると思ってます。

 あと糖尿病、心臓病など生活習慣病がある人が突発性難聴になった場合、治りが悪いという研究データがあるそうです。生活習慣病のコントロールも重要です。

 石井先生は「突発性難聴は“耳の心筋梗塞”と言う医者もいる」と話しています。緊急だということです。心筋梗塞なら、誰だってすぐ病院に行きますよね。体が発した悲鳴を聞かないと、いつか耳が聞こえなくなってしまいますよ。

 【原因不明の感音性難聴の一種】難聴には大きく分けて外耳と中耳に起こる「伝音性難聴」と、内耳に起こる「感音性難聴」があります。伝音性は、音を伝える部位に異常が出るもので、原因の特定がしやすい。一方の感音性は、集められた音を脳が受け取るまでの器官に異常が出るもの。原因が不明で、突発性難聴はこの感音性難聴のひとつです。突発性難聴と同じような症状を見せるものとして、外リンパという液が内耳から中耳の方へ漏れる「外リンパ瘻(ろう)」、内耳に腫瘍ができる「聴神経腫瘍」があります。この2つは、突発性難聴より極めてまれなケース。外リンパ瘻は難聴の度合いが変動することで、突発性難聴と区別できます。

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