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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】睡眠時無呼吸症候群「弥生」は危険!?令和前に顔チェック

[ 2019年4月24日 12:00 ]

生島ヒロシ
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 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(68)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。平成最後の今回は「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」です。中高年男性は10人に1人がSASといわれています。肥満の病気というイメージがありますが、日本人は痩せている人にも多いというデータがあります。そこには日本人特有の顔が関係していました。

 皆さん、こんにちは。生島ヒロシです。いい季節になってきましたね。「春眠暁を覚えず」。この言葉通り、気持ちよくぐっすり眠りたい。でも、そうもいかないのがSASです。

 ガガーッ!自分のいびきに驚いて目が覚めた経験ありませんか?私も40代半ばまで、ずいぶんとありました。早朝のラジオ番組があるので、睡眠は夜と番組終了後の2回と不規則。それだけに睡眠にはこだわっています。口呼吸になってしまうからいびきをかくわけです。だから私は口に「ネルネル」(三晴社)というテープを貼って寝ています。鼻呼吸を促すものです。もう何年も愛用しています。ずいぶんと楽に眠れるようになりました。オススメです。

 【原因】閉塞性と中枢性があります。一般的なSASは閉塞性で全体の約9割です。仰向けに寝ていると重力で舌や軟口蓋(なんこうがい)という器官が沈んでいきます。この沈下で空気が出入りする気道をふさいでしまうんです(図<1>)。高齢になると筋力が弱るため、さらに沈下がひどくなります。狭くなった気道を空気が強引に通ろうとして乱流が発生。この乱流が粘膜を振動させるために、あのガーッといういびきが出るのです。気道がしっかり確保されていれば、いびきはかきません。「すやすやとした寝息」って言いますもんね。
 肥満も大きな原因です。首の周りに脂肪が付けば、それだけで気道を圧迫します。舌にも気道にも脂肪は付きます。焼き肉店で牛タンを焼くときのことを思い出してみてください。勢いよく焼けるでしょ?脂肪があるからです。他には飲酒、睡眠薬、鼻炎などです。

 中枢性は脳から呼吸指令が出なくなって起こります。心臓の機能の低下と関係があるといわれています。

 【検査】7時間の睡眠中に30回以上の無呼吸(10秒以上の呼吸停止)がSASと定義されています。1時間当たりでは無呼吸5回以上です。パルスオキシメーターという装置を付けて寝て睡眠中の血液中酸素濃度を測ることから始めます。これは簡易検査で自宅でできます。SASが疑われる場合は、1泊入院しポリソムノグラフィーというより精密な機器で診断します。
 【治療】軽度の場合は専用のマウスピースを作って、はめて寝ます。下顎を上顎より前に出す構造で、気道を広く保ちます。マウスピースは上下固定式がポピュラーです。顎が動かせる上下分離式のマウスピースもあります。費用が変わってきますが、口が動かないのはどうも…という人には選択肢の一つです。

 中度以上は「CPAP療法」です。睡眠中にマスクを装着し、鼻から空気を送り続けることで気道を開いておきます。外科的手術もありますが、成人ではあまり行われません。

 ◇SAS(サス)=sleep apnea syndromeの略。apneaは呼吸停止の意味。

 ◇CPAP(シーパップ)=continuous positive airway pressureの略。持続陽圧呼吸療法の意味。

 【予防法】まずは肥満を解消しましょう。私が睡眠の相談をしている慶応大学医学部特任教授で医療法人社団スリープクリニックの遠藤拓郎理事長は“負のループ”を指摘しています。  
 
 肥満→取り込んだ栄養素を燃焼させるには酸素が必要→SASで酸素が不足→栄養素が脂肪に変わる→肥満

 この無限の流れを断ち切るには、食生活の改善と運動しかありません。外出したら一駅前で降りて歩いてみるとか。散歩にもいい季節になったじゃないですか。遠藤先生は「10キロの減量でCPAPを卒業できる患者さんもいる」と話しています。

 SASは夜間頻尿とも関係があるんです。SAS状態では睡眠中に心臓に負担がかかり、その影響で利尿ホルモンが持続的に分泌され、尿がたくさん作られてしまうのです。いいことないですね。頻尿は男性の場合は前立腺の病気の場合もあるので注意が必要です。
 欧米ではSASは肥満の病気という認識ですが、実は日本人は患者全体の3割が標準体重か痩せ型というデータがあります。これには日本人の骨格が関係しているといわれています。遠藤先生は「顎が小さい人」「下の前歯が後退している人」がSASになりやすいと指摘しています。顎が小さく後退していれば気道を狭め、構造的に舌が沈下しやすくなるからです。
 日本人の顔には南方系の縄文顔と、北方系の弥生顔があるといわれています(図<2>)。弥生顔の特徴は、面長で顎が丸く小さい。この顔は先天的にSASの危険性を秘めています。現代では日本人の7割は弥生顔といわれていますから気をつけなきゃ。鏡で顔を見てみましょう。ついでにいま現在、自分の顎がどんな構造になっているのかチェックしてみましょう(図<3>)。ただしこれは一つの目安。専門家の判断を仰いでくださいね。
 遠藤先生は「いびき=軽い無呼吸」と強調します。前述しましたが、いびきをかくということは空気の流れが阻害されているということ。高血圧、心疾患、脳卒中、糖尿病にもつながります。最悪、突然死もありえるといいます。“無呼吸”になるんですから。
 新元号を前に、私も最近、睡眠クリニックにお世話になっています。一度、訪れてみることをお勧めします。シニアはいわば“中古車”。しっかりメンテナンスしないとね。「肥満じゃないから大丈夫」というそこのあなた、弥生顔じゃないですか?

 遠藤医師は「横向きに寝るだけでSASが改善する人もいる」と話す。舌や軟口蓋が気道をふさぐ方向に沈下しないためだ。遠藤医師は寝具メーカーの西川株式会社と、睡眠中に寝返りを打たないようにし、横寝の姿勢を保つ形状の枕を開発。その姿勢で寝ると肩の部分が沈み込むため、圧迫を軽減するスリットの入った横寝に適したマットレスも作った。

 枕は税別1万2000円、マットレスは同4万円。5月末から全国のイトーヨーカドーで販売が始まる。遠藤医師によると「いびきをかかない人は仰向けに寝る方がいい」という。

 ◆生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の68歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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