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【だから元気!】芸はスベるが筆は走る 村上ショージの水墨画

[ 2019年4月5日 12:00 ]

自身の作品の前で、即興で描いた水墨画を手にした村上ショージは「ドゥーン!」(撮影・吉田 剛)
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 スベリ芸の大家で「ドゥ~ン!」や「何を言う~!早見優!」などのギャグで知られるピン芸人・村上ショージ(63)。水墨画や“書”をしたためることが元気の源で肩の力を抜いて自分のペースで筆を走らせる。舞台での芸にも通じる「閃(ひらめ)き」の世界。我流の水墨画はスベり知らずだ。 

 濃淡だけで表す白黒の世界。少しずつ濃さを変えていろんな筆ペンで描き分けます。筆箱には10本ほどのペンを入れていて朱色もたまに使う。水墨画には何とも言えない味わいがあります。2015年には京都国際映画祭に2メートルの竹紙に描いた作品を出品しました。最近はだるまの絵を描いて言葉を添えることが多い。「こうあるべき」という言葉を自分の内面と向き合いながら書く。そうすると、だんだん楽しくなってくるんです。

 昔から古い時代の絵と仏像に引かれるんですよ。安土桃山の絵師・長谷川等伯の屏風絵(びょうぶえ)は言葉で言い表せないくらい凄い。濃淡だけで、松林の絵が自然界にあるように見えてくる。京都の三十三間堂にもよく足を運びます。千手観音像や仏像をじ~っと見てる。たぶんお寺の人は「こいつ、いつか盗むんちゃうかな」と思ってるでしょうね。

 原点は小学校5年で地元の愛媛県で弥生式土器を掘り出したことですかね。「開運!なんでも鑑定団」に出したら何と70万円。今は公民館に飾ってあるけど、寄付はしていないので、お金がなくなったら売るしかないと思ってます(笑い)。

 水墨画は20年ほど前に知人の紹介で画家の土屋秋恆(しゅうこう)さんに出会って始めました。渋谷のイタリアンレストランに大きな絵が飾ってあって感動した。そこで土屋さんに「ヒマなら絵を描いたらどうですか?」って勧められた。

 最初に教えを請うた時に「縦の線を1本引いてみてください」と言われたんですけど「基本はええので、葉っぱってどうやって描いたらよろしいですか」と尋ねた。先生も「面白い」って言ってくれて、そこから我流でやりました。中国の本を読んだりしましたけど、基本もなくてメチャクチャですわ。

 とにかく何事も無理せず楽しくやるのがコツ。「描かないといけない」と追い詰められたら意味がない。自宅の居間でテレビをつけながら昼間に描く。舞台でも“閃き”の中で生きている。その瞬間瞬間が大事です。お世話になってる明石家さんまさんに絵を描いてることはあんまり言うてません。「玄関に飾って」と渡しても段ボール箱に放り込まれるでしょうしね。

 ギャグも瞬発力。昔、劇場でギャグを100個作ったけど最後にはネタがなくなって「バナナ!!」とか普通のことを大きな声で叫んでいた。それで面白くなる。絵も好きな時にやればいいんです。

 スベリ芸とも言われますが、あれは黒柳徹子さんが「徹子の部屋」で「スベリ芸の開発者でございます」って紹介して広まった。収録中にお客さんがクスクス笑って「このギャグはまだ開発の途中でございますよね」って。何を言う~!ですわ。コメディーの無料の公開収録ではスベりすぎて、お客さんからタダやのに「金返せ!」と言われたこともあります。

 最近は大阪・北新地にあるワインバーの壁一面に5カ月くらいかけてブドウの絵を描きました。無理はせんと、ちょこちょこと店に寄った時にやる。10年間体形の変わらない知人が足に重りを2キロずつ付けて運動していたので「これはいい!」と思ってマネした。500グラムの重りをつけて忍者のように跳んだり、走り回ったりしたら2カ月で膝がパンク。今はテーピングでギチギチに固定してて栃ノ心の膝みたいになってます。やはり無理はあきません。

 ≪暗闇で生まれた「何を言う~!」≫「何を言う~!」のギャグは40年ほど前、暗闇の麻雀卓で生まれた。当時、大阪府福島区にあったさんまのマンション。忙しすぎて電気代を払っておらず、ジミー大西が買ってきた懐中電灯を麻雀卓の四隅に付けてプレー。牌を切るのが遅いショージにさんまが「はよ切れ」とツッコミを入れたところ、暗闇の中「何を言う~!」と延々と言い返したことで生まれたという。ショージは「不思議なもので時間をかけて考えて作ったらウケない。とっさが一番」と胸を張っていた。

 ≪ギターも弾けちゃう63歳≫ギターの弾き語りも趣味の一つ。16年にビートたけし師匠の名曲「浅草キッド」をカバーした時に覚えました。師匠に「歌っていいですか?」と許可を頂いて、どうしても生演奏したいと思ったんです。そこで六本木にある無料体験の音楽教室コーナーに行った。向こうの人はビックリしてました。「このおっさん、無料で来てるわ」と思ったんでしょうね。

 ギターも我流。今は吉本坂46のメンバーとして秋元康先生が作詞を手がけたソロ曲「バーボンソーダ」でも弾いてます。デビューシングル「泣かせてくれよ」のカップリング曲。吉本坂はダンスもあるんですけど、練習中にフラフラして体がぶつかる。周りには“徘徊(はいかい)ダンス”ってツッコまれてます。

 ◆村上 ショージ(むらかみ・しょーじ)1955年(昭30)5月28日生まれ、愛媛県今治市出身の63歳。77年に吉本興業入り。進行係などを経て79年に滝あきらの弟子となる。80年代にバラエティー番組「オレたちひょうきん族」で「何人トリオ」として人気に。ギャグ芸人の大御所的存在で、手ばなをかむ「ドゥ~ン!」などがある。1メートル64。

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