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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】死ぬほど痛い帯状疱疹 ウイルスを冬眠させよう

[ 2019年3月13日 12:00 ]

左目の上の赤いぶつぶつが帯状疱疹。頭部左側に広がっていって強烈な痛みだったという生島ヒロシ
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 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(68)がシニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は先月、自身が患った「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」です。50歳を超えると急増し80歳代までに3人に1人が発症するといわれています。激痛を伴い、適切な治療をしないと痛みが数年も続く「帯状疱疹後神経痛」になることもあります。

 皆さん、こんにちは。生島ヒロシです。いや~えらい目に遭いました。帯状疱疹です。恐ろしいほどの痛み。夜、起きちゃうほどの。50歳以上が全体の7割を占めるといわれる病気。皆さん、本当に注意してください。

 では体験談をお話ししますね。2月の中旬に左目の上が赤く腫れたんです。ピリピリッという痛みも感じて。実は次男が子供の頃帯状疱疹になっているんです。ずいぶんと水ぶくれができてました。私には水ぶくれがなかったので、帯状疱疹は疑わなかったんです。

 虫に刺されたのかなと思って塗り薬をつけたんですが治らなくて。それでまず内科へ。でも原因不明で、今度は耳鼻科へ。そこで先生の口から「これは帯状疱疹ですね」と。驚きました。

 昔から「帯状疱疹が体を一周すると死ぬ」なんていわれてますが、実際には神経に沿って発症するため、体の左右どちらかにしか出ません。私の場合は顔の左側で、三叉(さんさ)神経沿いに発症しました。もちろん「死ぬ」なんてことはないですが、それがもう死ぬほどの痛みなんです。昔の人は、よく言い当てていたと思います。痛みは突然襲ってくるんです。顔を強い力で引っ張られたような痛み。ひどい時には10秒おきに痛くなって。髪の毛を触るだけでピーンッという激痛が走るんですから。お風呂も苦労しました。シャンプーも使えず、お湯だけで優しく優しく洗ってました。発症から3週間。抗ウイルス剤を処方してもらって(後述します)、それが効いて強烈な痛みは治まってます。でもいまでも微熱がある感じで、軽い頭痛は続いてます。

 【原因】水疱瘡(みずぼうそう)ウイルス(水痘=すいとう=帯状疱疹ウイルス)によって発症します。子供の時に水疱瘡ウイルスに感染すると、水疱瘡を発症。症状が治まっても、水疱瘡ウイルスは体内の神経節と呼ばれる神経細胞が集まる場所で潜伏。何十年もです。通常は免疫機能が働いて水疱瘡ウイルスを抑えます。加齢や、環境の劇的変化、過度のストレス、極度の疲労などで免疫力が低下すると水疱瘡ウイルスが活性化。帯状疱疹となって現れるのです。高齢者でなくても糖尿病、がんなどで免疫力が落ちていると発症します。

 【検査】痛みを伴う赤いぶつぶつができて、2、3日で水疱になる。水疱の広がり方にも特徴があるので、通常は問診で診断されます。まれに診断を確定するため、血液中の抗体の測定なども行います。

 【治療】水疱瘡ウイルスに特化した抗ウイルス薬の使用。内服、点滴があります。痛みが強い場合は神経ブロックの注射をする場合もあります。皮膚がただれてきた場合は塗り薬も用います。3~4週間で症状が治まることが多いです。

 【予防法】「寝た子を起こさない」。東京・赤坂の「マリーゴールドクリニック」院長の山口トキコ先生はこう言います。おとなしくしている水疱瘡ウイルスを活性化させるようなことはしない、ということです。

 水疱瘡ウイルスを抑える免疫力を低下させない。そのためには、どんな病気でも当てはまりますが、規則正しい生活をして十分な睡眠を取って、栄養もしっかり取る。特に高齢者は食が細くなりがちですから注意しましょう。体の免疫力の60~70%が腸に集中しているといわれています。その腸にいいヨーグルト、納豆などの発酵食品は積極的に取りたいですね。きのこ類もいいですよ。腸の働きを助ける食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富です。免疫細胞自体を活性化させるためにはタンパク質も必要。肉、魚などですね。偏った食生活はダメということです。

 帯状疱疹かな?と思ったら、1分でも1秒でも早く抗ウイルス薬で治療を始める。というのも処置が遅れると、神経が著しく損傷を受けることがあり、痛みがいつまでたっても引かない。これが「帯状疱疹後神経痛」です。数カ月、ひどい人は数年間も痛みに悩まされることがあるといいます。

 私は「ファムビル」という抗ウイルス薬を処方されて1週間飲みました。私にはこの薬が合っていたようです。ラジオやテレビの生放送も休むことなく、何とか乗り切れました。顔に出ると顔面麻痺(まひ)や難聴になることもあるそうです。「よしき皮膚科クリニック銀座」の吉木伸子院長は「風邪をひいたときと同じようにする」と言います。十分休んで、栄養あるものを食べて、ということですね。アルコールは血管を広げて痛みが増すことがあるのでNGですって。

 実は1月に緊張を強いられる大きな仕事がありました。あと、寒い屋外で長時間の仕事も。これが影響して帯状疱疹が出たのかなあと思ってます。10日ほど前、米国人の友人と話す機会があって帯状疱疹が話題になりました。米国では60歳以上に帯状疱疹ワクチンの接種が推奨されていて、患者が減っているそうです。日本でも2016年に50歳以上への帯状疱疹予防接種が承認されています。ワクチン接種は選択肢の一つです。あの帯状疱疹の痛みに比べたら、注射針のチクッなんて“痛み度数”ゼロですから。

 自分は健康だから、なんて過信はダメですよ。私も68歳まで大きな病気知らずの健康自慢でした。でも今回、休む時には休まないと、と痛切に感じました。“寝た子”は眠ったままにしておきましょうよ。

 (PS)よく食べて、よく寝て、運動しなかったので、体重が3キロ以上増えてしまいました。トホホ…。

 ≪子供の水疱瘡減少で高齢者の発症増加≫子供の頃、水疱瘡にかかった思い出がありますよね。私もかかりました。でもいま、子供の水疱瘡が減っているんです。2014年にワクチンの定期接種が導入されたからです。実は子供の水疱瘡が減って、大人の帯状疱疹が増えているんです。水疱瘡ウイルスを持つ子供がそばにいないと、大人の水疱瘡ウイルスへの免疫が刺激されないからです。

 ◆生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の68歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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