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【絶対!健康 若返る旅】鹿児島県霧島市 飲んで酢ッキリ右肩上がり

[ 2019年2月27日 12:00 ]

桜島をバックにズラリ並んだ坂元醸造の壺畑。絶景です!
Photo By スポニチ

 熟年記者が旅をしながら健康を目指す「絶対!健康若返る旅」。今回は黒酢の発祥の地、鹿児島県は霧島市福山町を訪ねた。壺(つぼ)の中で熟成させた黒酢は血液をサラサラにしたり血糖値を下げるなどと言われるが、最近は認知症などの予防に効果があるとの研究結果も。近くには泥で全身パックできる温泉もあり、黒酢と泥湯で究極のアンチエイジング!

 錦江湾にそびえ立つ桜島(標高1117メートル)をバックに、大きな黒い壺がズラリと並ぶ。鹿児島空港から車で約30分の坂元醸造の「坂元のくろず『壺畑』情報館&レストラン」。福山町にある7軒の醸造元の中でも最古で最大規模の黒酢醸造会社がつくり出す大パノラマだ。

 黒い壺は薩摩焼や信楽焼などで、その数約5万2000個。胴径約40センチ、高さ約60センチ、容量54リットルの中に春秋2回、原料の蒸し米、米麹(こうじ)、地下水を仕込み、太陽エネルギーを利用して1年以上発酵・熟成させる。江戸時代後期の1800年頃に始まった伝統製法だ。

 「三方を山に囲まれ、海に面した町は年間平均気温約18度と発酵に適温。さらにシラス台地からの湧き水、薩摩焼の窯元があったことなどが黒酢造りに適していたのでは」と壺畑店長の宮内茂さん。酢は本来無色透明だが、熟成が進むことで琥珀(こはく)色になり、1975年(昭50)、坂元醸造が「黒酢」と命名した。

 以来、黒酢の名は一般化されていくが、それ以前から黒酢は病人たちに好評だったため、同醸造では研究機関に依頼して黒酢の効能を検証。黒酢には通常の米酢の10〜20倍ものアミノ酸や有機酸、クエン酸などが含まれ、コレステロールなどの脂質の代謝機能改善や血液サラサラ、血糖値低下などの機能があることが分かったという。

 さらに最近になって、同醸造と鹿児島大の農学部や共同獣医学部とのマウスを使った共同研究で、がん細胞が縮小したり、認知症の予防効果、認知機能の改善効果が判明。「今後も研究を進めていきたい」(宮内さん)と同醸造にも力が入る。

 “黒酢力”にすっかり魅せられて、情報館で1、3、5年熟成の黒酢を水で5倍に薄めたものを試飲。順を追って色が濃くなり、味も濃厚になるが、思っていたより飲みやすくおいしい。

 1日の摂取量の目安は20〜30ミリリットルというが、隣のレストランでは黒酢をふんだんに使った中華料理を提供。食前酒ならぬ食前酢付きの「彩りランチ」(全10品、税別1800円)を味わったが、メインの酢豚は深いコクと爽やかな酸味が食欲を刺激する。店員さんに「鹿児島から見る桜島山頂は右肩下がりだが、霧島からは逆に見える」と聞いて、窓越しに見やった桜島の山頂は確かに右肩上がり。来館者の健康度を象徴しているようだった。

 ≪泥パックで肌ツルツル≫黒酢で内側からケアした後は外側からと、霧島神宮近くの霧島天然温泉泥湯の宿「さくらさくら温泉」で、美肌効果があるという泥パックを体験した。泥は同宿から直線で約2キロ離れたえびの高原新湯温泉の近くにある、標高850メートルの源泉地から毎日運んでいるそうで、不純物を取り除いた湯の花たっぷりの“純生”。男女それぞれの露天風呂に置いてあるが、寒いため顔だけのパックに。まずは弱酸性硫黄泉のお湯に漬かり発汗作用を高めた後、湯船脇に置かれた容器から泥をすくい上げ、肌が薄く見える程度に塗る。5分ほどで乾き、温泉のお湯で洗い流せばOK。確かに顔のシワが伸びた感じで、触ると肌がツルツル。硫黄泉には美肌のほか肩こりや痩身(そうしん)効果もあるそうで一気に若返った感じがした。宿泊、日帰り温泉客は無料。鹿児島空港からバスで約50分。

 ▽行かれる方へ 電車ではJR日豊本線国分駅からバス約20分。入場無料。壺畑からさくらさくら温泉へは車で約50分。問い合わせは「壺畑・情報館」=(電)0995(54)7200、同レストラン=(電)同(54)7700、さくらさくら温泉=(電)同(57)1227、霧島市観光PR課=(電)同(64)0705。

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