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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】国内で800万人が発症“ドライマウス”

[ 2018年10月17日 12:00 ]

生島ヒロシ
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 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(67)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は唾液の分泌量が減少し口の中が乾く「ドライマウス(口腔=こうくう=乾燥症)」です。放っておくと誤嚥(ごえん)性肺炎につながり、命に関わる病気です。

 皆さん、こんにちは。生島ヒロシです。最近、口の中が乾いて食べ物がのみ込みづらかったり、周りから「口が臭い」とよく言われるようになった、なんてことないですか?それ、ドライマウスかもしれないですよ。国内で800万人がこの病気と言われています。

 口の中を潤しているのは唾液です。唾液って1日にどれくらい分泌されると思いますか?何と約1・5リットル!大きなペットボトル1本分もの量。でも高齢になると3分の2ぐらいに減ってしまうそうです。唾液には口内の細菌を除去する役割があります。唾液の量が減る高齢者は、この“お掃除機能”が十分に働かない。高齢者は筋力の低下などで、食べ物が食道ではなく気管に入ってしまう、いわゆる誤嚥を起こしやすい。ドライマウス状態だと、口内の細菌が一緒に肺まで運ばれてしまいます。これが重篤な誤嚥性肺炎につながるのです。

 たかが口の乾き。水でもちょくちょく飲んでいれば大丈夫。これでは駄目なんです。命に関わるわけですから。

 【原因】唾液の分泌量が減る。これです。その要因として加齢、糖尿病や腎不全の影響、唾液腺に慢性的に炎症が生じる難病「シェーグレン症候群」によるものなどがあります。あとはストレス。薬剤の副作用でも起こります。

 【検査】まず、問診で服用中の薬や過去の病歴を聞きます。次に唾液分泌量の検査。一定時間安静にしている状態で分泌された唾液をコップの中に出して、その量を測定。ガムをかみながら行う方法もあります。唾液腺の状態を見るためにエックス線撮影したり、下唇の唾液腺を採取して、病理検査することもあります。

 【治療】唾液の分泌を促します。分泌促進薬を服用。唾液腺を刺激するためガムをかむ。人工唾液を使うこともあります。これは口内に1日数回塗ります。ドライマウスにより舌がひび割れたりするので、その痛みを消すことが第一です。ストレスが原因の場合は心身医学的なアプローチを取ります。

 【予防法】何よりも唾液を増やすことです。私の仕事はテレビやラジオで話すこと。ドライマウスになって話しづらくなったら大変。幸い昔から唾液の量は多いのですが、それでも唾液を出すためのエクササイズはやってます。「ベロ出し運動」です。効果てきめん。イラストで紹介します。どこでもできますから、ぜひやってみてください。

 ドライマウスは誤嚥性肺炎につながるとは恐ろしいですね。高齢になって、どうしても嚥下機能が低下するのは仕方ないです。じゃあ、せめて口内に細菌をためないようにしましょうよ。細菌は口臭の原因でもあります。ドライマウスで一番身近な問題は、実はこの口臭。私は話す仕事なので、特に気をつけています。歯ブラシ、デンタルフロス、舌ブラシを常備。食べたら磨く。これを徹底しています。

 あとは、食べ物をよくかまないと唾液は出ませんね。私が長年お世話になっている歯科医学の権威で日本歯科医学教育学会名誉会員の加藤元彦先生(87)は「動物園に行ってごらん。動物はよくかんで食べてるよ。かまないのは人間だけだよ」と言っています。確かに動物は、よだれが垂れてますもんね。

 加藤先生は「かんだ時の圧力が唾液腺を刺激する」と言います。高齢になると筋力が低下するため、意識して唾液腺をノックしないといけないそうです。おかゆや野菜汁を飲むだけでは駄目なのです。そこで加藤先生は小さな硬い梅干しを勧めます。まず酸っぱさで唾液が出て、梅干しをコリコリとかむ。残った種はしばらく口の中で転がす。種が口のあちこちに動くことで唾液を誘発するそうです。

 ほかに効果的な食べ物としては、ドライフルーツ、するめいかもいいですね。よくかみますから。酸っぱいもの以外でも、納豆や昆布には唾液の分泌を促す酸が含まれているといいます。

 唾液を出す物を食べて、その後は食べかすを残さないように清潔にする。ご近所付き合いも少なくなり、人の心がかさついている現代社会。口の中の潤いは大切にしましょう。幸福寿命のカギは口内ケアからですよ。

 舌を出し入れする「ベロ出し運動」の次は、舌を口の中にしまって歯と歯茎をなめ回す「ベロ回し運動」もやってみましょう。生放送の番組の前は緊張で口が乾きますが、この運動で助かっています。耳の下にある唾液腺(耳下腺)、下顎にある唾液腺(顎下=がっか=腺)をマッサージするのも効果的です。あと、舌の下に位置する舌下腺を、両手の親指で顎の下から軽く押す。いずれも唾液分泌のいい刺激になります。

 ◆生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の67歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月〜金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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