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スポニチキャンパス

西九州大学エアロビサークルAGEEQUAL

[ 2018年2月22日 05:30 ]

AGEEQUAは昨年11月の全日本総合エアロビック選手権のエンジョイ・チーム部門でパフォーマンス賞(前列中央が田崎部長)
Photo By スポニチ

 【2年連続全国舞台へ一丸、昨年創部半年でパフォーマンス賞】

 創部半年での快挙だった。今回のスポニチキャンパスは佐賀県神埼市の西九州大にある「Aerobic&Danceサークル」のAGEEQUAL(エイジーコール)だ。昨年11月に「全日本総合エアロビック選手権」のエンジョイ・チーム部門でパフォーマンス賞を受賞した。楽しみながら踊るエアロビックの世界を紹介する。

 アップテンポなK―POPがかかる鏡張りの健康運動演習室。昨年11月の全国大会でパフォーマンス賞を受賞した8人は週2日、笑顔を絶やさず踊っていた。部長の田崎妃菜(ひな・3年)は「音楽に合わせて体を動かすのが楽しい」と競技の魅力を語る。

 昨年5月末、幼少期から知り合いの田崎と島田優美恵(2年)はサークルを立ち上げた。田崎が同じ健康福祉学部スポーツ健康福祉学科の同級生を誘って部員を集めた。経験者は2人だけのため、初心者でも楽しめるエンジョイ・チーム部門で全国大会出場を目指した。経験者の2人が指導する形を取り、鏡を見ながら練習を繰り返した。「擬音を使ったり、コンパスをスーッと回すように動くとか、具体的にいうことを心がけた」と島田は話す。

 エンジョイ・チームは制限時間2分以内に、エアロビックと各種ダンスや体操、ヒップホップなどを自由に組み合わせて楽しく踊るというものだ。田崎は「70代、80代のおじいちゃんもいます。ほかの競技に比べ、初心者という目で審査員も見るので、レベルやスキルはあまり重視されない」と口にする。

 大会で使用した曲は、お笑い芸人のブルゾンちえみwithBがネタの際に流すAustin Mahone(オースティン・マホーン)の「Dirty Work(ダーティー・ワーク)」だった。そのまま曲を流すのではなく、曲中の間奏部分にお笑い芸人・平野ノラの「おったまげー」などを入れ、田崎が2分に編集した特別版だった。

 7月の予選を突破すると、全国大会へ向け勢いある部分を曲中に作るなど、工夫を凝らした。熊本県内で「Aero Step 2」(エアロステップツー)というエアロビック教室でコーチを務める母・一美(ひとみ)さんの助言もあったという。本番では手拍子が鳴ったり、手を叩いて笑う人がいるなど観衆や審査員の心をつかんだ。田崎は「自分で編集したのもあったので、うれしかった。これはちょっといける!と思った」と手応えある演技ができた。

 現在は来月24日に熊本県連発表会で男3人、女3人の6人でパフォーマンス賞を受賞した演技を再び披露するため、練習に励む。春から4年生になるため、就職活動と並行しながらの戦いだ。田崎は「今年も全国大会に出たい」と誓った。

 ◆競技エアロビック アメリカのケネス・H・クーパー博士が提唱した運動処方理論「エアロビクス」が起源。国際大会につながる公式競技、普及を目的としたチーム競技、フライト競技に分かれる。公式競技は、部門や年齢別に7メートル四方や10メートル四方の競技エリアを使用し、定められた競技時間の中でエアロビック動作やエレメントと呼ばれる難度別の動作を組み合わせた演技(ルーティン)を行う。競技部門はシングル、ミックスペア、トリオ、グループ、エアロビックダンス、エンジョイチーム、フライトの7種類がある。

 ▽西九州大 佐賀県神埼市神埼町に本部を置く私立大学。1968年(昭43)創立。神埼キャンパス、佐賀キャンパスがある。健康栄養学部、健康福祉学部、リハビリテーション学部、子ども学部、4月新設の看護学部が専攻できる。

 幼なじみ島田と立ち上げ、唯一の2年生…部存続のためにも「後輩が欲しい」

 島田は小さい頃から田崎の母がコーチを務めるエアロビック教室で競技を始めた。「体がもともと柔らかくて、長座前屈(両足をそろえて前方に伸ばした体勢で座り、両手をつま先の方へ伸ばす)もビタッ!とついてました」と笑顔で話す。

 1歳上の田崎の背中を追い続けてきた。同じカテゴリーの大会に出たり、トリオで大会に出るなど、切磋琢磨(せっさたくま)してきた。田崎について「めっちゃ見せ方がうまい。目標にしている」と目を輝かせる。

 今月24日には「第13回全国フライト・エアロビック選手権大会」に出場する。フライトは規定の動きを25分(予選は20分)踊り続ける競技だ。「オーディションみたいな雰囲気。表現力がいるんです」と語る。1次ラウンド、準決勝ラウンド、決勝ラウンドに分かれており、「決勝ラウンドに残ったことがないので、頑張りたい」と気合は十分だ。

 食事法にも持論がある。「大会前だから控えると、ストレスを抱えてしまう。食べたいぶん食べて、そのぶん体を動かすようにしている」。無制限に何でも食べるわけではなく、高タンパク、低脂肪を意識して鶏のささ身、むね肉などを摂取して、脂身を避ける。「炭酸は長く飲んでません」。糖分が多い清涼飲料水を口にせず、水や麦茶を飲むように心がけている。

 部員唯一の健康栄養学部で将来は食品関係の仕事を志す島田。現在、気がかりなのは自分以外が全員先輩で、部を存続させるためにも「後輩が欲しい!」というところ。一緒に踊りませんか――。

 男子3人も魅力はまった、菅野「昨年よりいい賞獲りたい」

 田崎と同じ健康福祉学部に所属する男子3人は、誘われて好奇心から競技を始めた。今ではエアロビックの魅力にはまっている。

 入部当初は細かなステップに対応できず、手足がバラバラになるなどミスが多かった。高柿康平(3年)は「隊形が変わるときのステップで1人だけ離れてたりしました」と振り返る。それでも田崎や島田の懇切丁寧な指導により、メキメキと上達して全国大会に出場。本番では「七三分け」の髪形でwithB役を全うした。「これから味わえない、めちゃくちゃいい体験だった」と石橋翔(3年)は喜びを語る。

 パフォーマンス賞を受賞し、新たな目標ができた。菅野大輝(3年)は「昨年よりいい賞を獲りたい。全チームの投票で決まるJAF賞を獲りたい」と意欲。高柿は「せっかくなので、シングル部門で大会に出てみたい」と意気込んだ。

 ≪岩村「踊り好き」≫初心者として入部した町田梢(3年)はK―POP好きで、以前から振り付けをまねしていた。「最初は恥ずかしくて(隊列で)前に立つのが苦手だったけど(演技すると)飛んでしまいますね」と楽しそうに話す。細かい足や腰の動きを経験者の2人から教わった。同じく初心者だった岩村望生(みお・3年)は「昔から踊るのが好きだった」という。踊りやすいK―POPの曲を見つければ仲間と共有している。「もっと競技を知ってほしい」と話した。

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