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トランプ氏またも暗殺未遂「私は絶対に屈しない」 結束を強めたいところ 今回の事件も巻き返しに利用?

[ 2024年9月17日 05:30 ]

 11月の米大統領選で返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領(78)が15日、米南部フロリダ州の所有するゴルフ場でプレー中、警護していた大統領警護隊(シークレットサービス)が銃を持って近くに潜んでいた男に向けて発砲した。男は車で逃走したが、捜査当局に拘束された。トランプ氏は無事だった。連邦捜査局(FBI)は暗殺未遂事件として捜査を始め、動機を調べている。

 7月13日に東部ペンシルベニア州で演説中に銃撃され、右耳を負傷した暗殺未遂事件があったばかり。大統領候補が短期間で2度も狙われる異常事態となった。AP通信は、拘束された男はライアン・ラウス容疑者(58)だと報じた。

 現場のゴルフ場はトランプ・インターナショナル・ゴルフ・クラブ・ウエストパームビーチ。2018年に故安倍晋三元首相と“ゴルフ外交”を行った場所としても知られる。複数メディアによると、トランプ氏は5番ホールと6番ホールの間におり、6、7番ホール辺りに容疑者がいたという。安全確認のため先回りしていた警護隊の隊員が、トランプ氏から約370~460メートル離れた敷地境界付近にいる男を発見。フェンスから銃身が突き出ていたといい、隊員は少なくとも4発発砲したとした。

 その後、容疑者は車で逃走。目撃者が車とナンバープレートを撮影しており、現場から約65キロ離れた高速道路上で拘束された。現場からはリュックサック2つと、照準器付きライフル銃「AK47」、カメラが押収された。

 トランプ氏は「私は無事で元気だ」とのメッセージを支持者らに送った。再び命を狙われ、大統領に返り咲く「決意が強くなった」とし「私は絶対に屈しない」と表明した。

 7月の事件では流血しながらも拳を何度も突き上げ、強い指導者をアピール。党内の求心力を高めることに成功した。しかし、民主党候補がバイデン大統領(81)からハリス副大統領(59)に代わったことで勢いがそがれ、今月10日の討論会では守勢に回った。改めて結束を強めたいところで、今回の事件も巻き返しに利用するとみられる。

 トランプ氏は事件後、ハリス氏支持を表明した人気歌手テイラー・スウィフト(34)のことを「嫌いだ!」とSNSに投稿した。米大統領選が約2カ月後に迫る中、事件が再びトランプ氏を勢いづける可能性もある。

《容疑者SNSで批判「米国人を再び奴隷にして支配する」》
 米メディアによると、拘束されたラウス容疑者はSNSでトランプ氏について、「米国人を再び奴隷にして支配する」などと批判していた。過去には機関銃を所持していたとして訴追されたことも。16年の大統領選ではトランプ氏を支持したものの、「大いに失望させられた」と書き込んでいた。次の20年大統領選では民主党系の献金サイトに送金し、今春にはノースカロライナ州の民主党予備選で投票。4月にX(旧ツイッター)で大統領選に関し「我々は負けるわけにはいかない」と強調した。

 容疑者のものとされるSNSのアカウントには、ノースカロライナ州の大学を卒業。18年からハワイ州で自営業と記されていた。建設会社を経営との情報もある。ロシアの侵攻を受けるウクライナ支援に強い関心を持ち、昨年にはニューヨーク・タイムズ紙の取材に応じていた。

《バイデン氏ら暴力非難》 バイデン氏とハリス氏は事件の報告を受けた。バイデン氏は声明で「トランプ氏が無事で安心した。米国に政治的暴力が存在する余地はない」と強調。ハリス氏も「政治的暴力を非難する。トランプ氏の無事に感謝する」との声明を出した。

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