パラリンピック代表選手 東京大会選考中にライバル中傷で約124万円の支払い命令 ブログに匿名書き込み
パリ・パラリンピックのアーチェリー日本代表の重定知佳(41)からブログへの投稿で中傷されたとして、同競技の小野寺朝子(48)が169万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は6日、投稿により精神的苦痛を受けたと認め、約124万円の支払いを命じた。重定側は控訴する意向を示した。
判決によると、重定は東京大会の代表選考が行われていた2021年1月、同じく代表を目指していた小野寺のブログのコメント欄に匿名で「代表入りも無理なの気づきませんか?悪あがきもほどほどに」「ルール違反してない?」などと書き込んだ。
19年の日本身体障害者アーチェリー連盟の公認記録ランキングで、小野寺は重定に次ぐ2位。東京五輪に出場した重定は女子リカーブ個人で7位だった。小野寺は出場していない。
大久保紘季裁判官は判決理由で、投稿内容は「全くの虚偽」と指摘し、小野寺の成績に対して嘲笑的に言及するなど悪質性が高いと判断。「身に覚えのない投稿を立て続けにされた上、投稿者がライバルであると知った精神的苦痛は相当だ」と述べた。小野寺側の発信者情報開示請求で、重定による投稿と発覚した。
判決後、小野寺が会見。「不快な思いをずっとしてきた。(中傷で)困っている選手にとっての抑止力になればいい」と話した。重定とはプライベートで深い付き合いはなかった。投稿者が重定と判明した時は「信じられず、何かの間違いではと思った」と振り返った。これまで謝罪などはないといい、「代表の自覚があれば、このような書き込みはできない。パリ大会出場は残念に思う」と語った。
日本パラリンピック委員会は6日、スポニチ本紙の取材に「事実関係を確認中で、今の段階ではお答えできることはありません」と話した。
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