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2035年 空飛ぶクルマの旅 簡単な操縦でSF映画の世界に 来年度実用化も法整備には時間

[ 2024年5月19日 04:40 ]

都内初飛行した空飛ぶクルマ「HEXA」の操縦席(撮影・佐藤昂気)
Photo By スポニチ

 SF映画の世界がいよいよやってくる?未来の都市像を発信するイベント「スシテック東京2024」(江東区・有明アリーナなど、26日まで)でデモンストレーション飛行を公開中の「空飛ぶクルマ」を見てきた。遠い未来の物語と思っていたら、いよいよすぐそこまで来ているのか。担当者に話を聞いた。(佐藤 昂気)

 夕日に照らされた駐車場。米リフト・エアクラフト社製の1人乗り「HEXA(ヘクサ)」が空を舞った。約10メートル上昇し、前後左右に自在に移動。滑らかな動きに見とれてしまう。日本での事業化を担う丸紅エアロスペースの太田峻介さん(32)は「実際に飛ぶのを見てもらえば実用化に向けてイメージも湧いてくると思う」と手応えを語った。

 プロペラ18枚、幅4・5メートル、高さ2・6メートルの機体の操縦が簡単なのも驚きだ。右手一本で「ジョイスティック」と呼ばれる操縦かんを傾ければ行きたい方向へ。上昇下降は操縦かんのレバーで操作。離着陸はボタン一つ。米では既に昨年11月、飛行エリアを限定して実用化。米の航空法では同機の飛行に免許などは不要。座学とシミュレーターでの動作確認など約1時間で誰でも操縦できるという。

 太田さんは、国内でも同様の運用で実用化を目指し「航空局の許可などが下りれば、来年度後半にも実用化できる」と説明。「人がいる市街地の上空を飛ぶには法整備に加え安全性を高める必要がある。実現は2035年ごろになりそうだ」との見方を示した。国土交通省などのロードマップでは、20年代後半に空飛ぶクルマなどの自家用運航を目指す。

 太田さんは「機体の形は違うが、デロリアンのように空を飛ぶ未来は間近」と力を込める。デロリアンといえば、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズでマーティ(マイケル・J・フォックス)と、ドクことエメット・ブラウン博士(クリストファー・ロイド)が乗り込むタイムマシン。高いビルの屋上を飛行するシーンなどが描かれた。

 作中で2人がタイムスリップしたのは空飛ぶクルマが一般化した2015年。現実世界は既に10年近く過ぎてしまったが、HEXAが日本で実用化されれば自ら空を飛べる日も近い?同機は基本的に販売などはしていないが、価格は「約50万ドル(約7800万円)」。今の記者には手の出ない価格だが、いずれもう少しリーズナブルになるはず…。そんな未来までタイムスリップしたい。そう思わずにいられない。

 ≪「SkyDrive」2億円 個人でも買える!!≫空飛ぶクルマの定義に明確なものはないが、国土交通省は「電動」で「自動操縦」や「垂直離着陸」が可能な乗り物を一つのイメージとする。米国やドイツ、英国など、各国で開発。多くはプロペラを用いたドローンのような形状だが、中国には水陸両用ならぬ“空陸”を進む自動車のような機体もある。個人販売を受け付けている企業もあり、愛知県豊田市の「SkyDrive」は昨年4月から予約を開始。価格は約2億円になる。

 ≪大阪・関西万博で移動手段にも検討≫空飛ぶ車は2025大阪・関西万博で、会場と周辺地域を結ぶ移動手段として検討されている。国土交通省などが発表しているロードマップでは、万博が開催される2025年度以降に、都市間の移動や、観光利用での実用化を見込む。そのほかにも、離島や山間部への物資の輸送や、患者の搬送なども想定。20年代に商用運行を拡大し、30年代以降には路線や便数の拡大を掲げている。公共交通機関での活用が主体とみられるが、20年代後半に「自家用運航の開始」も明記されている。

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