×

秋田・にかほ市 ふるさと納税活用し「クマといい距離」目指す

[ 2024年2月13日 05:00 ]

 クマによる人身被害が全国で相次いだ問題を受け、秋田県にかほ市のクマ対策に関心が集まっている。ふるさと納税を財源とし、捕獲・駆除頭数を減らしながら市民の安全を守ろうという取り組みだ。

 環境省によると、人身被害は昨年4月から今年1月まで218人。2020年度の158人を大きく上回る過去最悪の状況だ。このうち全国で最も多いのが秋田県の70人で、22年の5倍となる2000頭ものクマが駆除された。人身被害への対策に苦慮する中、県庁には抗議の電話が殺到し職員が対応に追われた。

 こうした苦境を受け、にかほ市が「駆除頭数を少しでも減らしながら、市民の安全を守りたい」として取り組むのが「クマといい距離プロジェクト」。市では昨年の人身被害こそゼロだったものの、目撃件数は48件と22年の22件から倍増。対策強化が課題となる中、担当する企画調整部総合政策課の齋藤健志さんは「県に寄せられた苦情のほとんどは実は県外から。(居住者以外がその地域を応援する)ふるさと納税の観点から見たら需要があると見込んだ。我々の取り組みが評価してもらえるのではないかと考えた」と説明した。

 プロジェクトの柱となるのは人里周辺の林などやぶの刈り払い。やぶの範囲が広がれば、クマが身を隠して人里に近づきやすくなるため、緩衝帯を設けることで「クマが潜みにくい環境を作る」のが狙い。緩衝帯は出没を抑制する効果が期待されており、県の事業では整備後にクマの目撃情報がなくなったという事例もある。PR用のポスターは県外の人にもイメージしやすいように芝刈り機を持った職員を起用した。

 財源となるふるさと納税は、返礼品なしの寄付(2000円~1万円)9種類のほか、地元で収穫されたコメを返礼品にした寄付が76種類あり、どれを選択しても1件ごとに1000円が財源に充てられる仕組み。

 昨年12月21日のスタートから5日までの1カ月半で150件の寄付が既に寄せられている。「ほぼ全てのコメントが応援や事業のヒントなどでとても励みになっている」と齋藤さん。例年なら来月上旬からクマの目撃情報が出始めるといい「効果を測定しながら全国で共有できるような取り組みになれば」とさらなる広がりを見据えた。

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「八代亜紀」特集記事

2024年2月13日のニュース