×

大麻グミ全面禁止 類似構造もまとめてNO! 21日にも指定薬物に

[ 2023年11月21日 05:30 ]

大麻のような成分を含んでいる可能性があるグミ(製造会社の公式サイトから)

 大麻類似の合成薬物HHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)を含む可能性があるグミを食べた人が体調を崩し相次いで搬送された問題で、武見敬三厚生労働相は20日の記者会見で、東京都内のグミ販売店舗で見つかった製品からHHCHを検出したと明らかにした。21日に指定薬物部会を開き、今週中にも指定薬物に指定し、流通を禁止する方針。

 この日も“大麻グミ”トラブルは拡大した。札幌市で今月、大麻成分を含むグミを食べるなどした2人が、体調不良を訴え、救急搬送されていたことが判明。いずれも大麻成分が検出された。各地で体調不良者が相次ぐグミと同じかどうかなどを調べている。

 HHCHは早ければ22日にも指定薬物に追加される。指定された場合、来月2日には所持や使用、流通が禁止となる。武見氏はこれらのグミに関し「危険なので摂取しないようにしてほしい」と注意喚起した。子供が誤って食べてしまうのを心配する声も上がっている。

 大麻にはTHC(テトラヒドロカンナビノール)という幻覚作用や、記憶への影響などを引き起こす有害成分が含まれる。大麻は違法であることから、これに似た「THCH(テトラヒドロカンナビヘキソール)」という物質が化学合成された。THCHは8月から指定薬物になっている。トラブルが相次ぐHHCHはこのTHCHを水素化したもので、規制の網をかいくぐって広まったとみられる。

 規制された薬物の構造を一部だけ変えた“脱法薬物”が流通し、それを規制。この“イタチごっこ状態”を受け、厚労省はHHCHに類似した構造をまとめて禁止する「包括指定」も検討している。薬物事件に詳しい元東京地検検事でレイ法律事務所の西山晴基弁護士は「指定薬物を所持、使用、流通などしたら医薬品医療機器法に基づき3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科されます」と解説。包括指定は「イタチごっこをやめる“切り札”になる」と早期の対応が望ましいとした。

 【全国各地で広がるトラブル】
 ▽SNS介し 大阪府で9月、20代の男性4人がグミを食べた後に吐き気などを訴えた。SNSで知り合った人から購入したと説明。グミのパッケージにHHCHと書かれていた。

 ▽イベント 東京・新橋の飲食店で10月に開かれたイベントで、大阪市の男性(31)がグミを4個食べた後、一時意識不明になり病院に搬送。グミからHHCHを検出。店付近で同じ時間帯に20代男女2人が体調不良を訴え、搬送。店でグミを食べた可能性がある。

 ▽公園で配布 東京都立武蔵野公園で今月4、5日に開催された「武蔵野はらっぱ祭り」、男性が配ったグミを食べた男女6人が体調不良で搬送。グミの袋にHHCHと記されていた。

 ▽マンションで食べる 東京都板橋区のマンション一室で今月15日、20代の男女2人がグミを食べた直後に手足のしびれや吐き気などの体調不良を訴え、搬送。グミの袋にHHCHの表記があった。

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「King & Prince」特集記事

2023年11月21日のニュース