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大阪府警 阪神球団最速「アレ」でも万全!5月Gウイーク明けにV確信し警備態勢準備

[ 2023年9月14日 05:20 ]

03年、戎橋にひしめく阪神ファンの大群衆が阪神優勝に沸く
Photo By スポニチ

 阪神のリーグ優勝が14日にも決まる。過去の優勝時には、大阪・ミナミの戎橋周辺にファンが押し寄せ、道頓堀川に飛び込んだ男性が死亡する事故まで起きた。今年は破竹の10連勝でマジックをついに「1」としたが、府警は「全く慌てることはなかった」と強調。5月のゴールデンウイーク明けには阪神優勝を確信し、警備に備えてきたといい「万全の態勢で臨む」と自信満々だ。

 本拠地の甲子園でこの日、宿敵巨人に快勝し「アレ」(優勝)に王手をかけた阪神。この瞬間を誰よりも早く確信していたのは大阪府警かもしれない。

 雑踏警備を担当する警備1課によると、優勝を見据えて警備計画を練り始めたのは何とゴールデンウイーク明け。「“今年の調子なら”ということで準備を進めてきた。いつ優勝しても大丈夫なように万全の態勢を整えてきた」と自信満々だ。

 優勝マジックが1となったことを受け、府警は14日、試合の開始時刻に合わせて戎橋周辺を中心に約1300人の警察官を投入する。昨年10月に韓国・ソウルの梨泰院で159人が死亡する雑踏事故が起きただけに、人々が次々と転倒する「群衆雪崩」の防止は至上命令だ。周辺など5カ所でDJポリスが歩行者を誘導し、近くのビルの上からは警察官が混雑状況を監視。「雑踏事故などにつながらないよう、未然防止を徹底したい」(府警幹部)と注意を呼びかけて安全確保に努める。

 13日も大勢の人が行き交った戎橋の欄干には「飛込み危険」と日本語、英語、中国語、韓国語で注意喚起した掲示物が貼られていた。03年の優勝時には約5300人が川に飛び込み、男性1人が死亡。18年ぶりの優勝を決めれば、過熱したファンや居合わせたインバウンド(訪日客)による「道頓堀ダイブ」が相次ぐことが懸念される。

 そこで府警は状況に応じて、川岸へつながる戎橋の東西のスロープを規制。市も近くの道頓堀橋の東側に防護シート(高さ約2メートル)を張り、戎橋の様子を見せないようにすることで通行人の滞留を防ぐとした。

 一方、近隣の店舗は大わらわだ。「串かつだるま」道頓堀店の担当者は「急ピッチでどんな対応ができるか考えている」と説明。運営会社の会長をデフォルメした像を店先に置いているが、優勝を決めた日は、営業中でも像を店内に入れるなどの対応を予定している。03年の優勝時にカニの看板の目玉がもぎ取られた「かに道楽」道頓堀本店は「優勝したら店の外に出している物はすぐに中に入れてシャッターを閉める。カニの大看板だけが心配」と吐露した。

 ただ、ここまで来てもチームを信じ切れないのが、阪神ファンの悲しい性(さが)。21年に最終戦でV逸した苦い記憶は新しく、この日の試合前、戎橋周辺を通りがかった50代男性は「マジック3でもまだ信じられへん」と半信半疑。61歳男性も「何度裏切られてきたことか」と恨み節を口にした。

 アレよアレよと優勝へ突き進んできた阪神。意外と冷静な虎党の思いを今年こそ歓喜に変える。

 ≪カーネル・サンダース像も心待ち≫1985年の優勝時にファンによって道頓堀川に投げ込まれ、その後長く続いた阪神低迷の“元凶”とされたカーネル・サンダース人形は現在、日本KFCホールディングスの関西オフィス(大阪市福島区)に「おかえり!カーネル」立像として展示されている。09年に発見されるまで24年間、川底に沈んでいたため表面のひび割れなど所々損傷。それでも笑みを浮かべ、阪神18年ぶりの“アレ”を待ち望んでいる。

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