米国で学力低下が顕著 国内全域の調査で判明 三角形の内角の和も???
米国全域で1969年から実施されている義務教育における4年生と8年生を対象とした全米教育進行状況調査(NAEP)の結果が24日に発表され、かつて経験したことのない教育レベルの低下が見られていたことが明らかになった。
AP通信が報じているもので、数学と国語のテストを行うこの調査は(本来は2年ごと)、新型コロナウイルスの感染拡大以前となる2019年以来の実施。国語では4年生が217点、日本の中学2年生に相当する8年生では263点でどちらも前回比でマイナス3点となって1992年レベルまで後退した。4年生ではアフリカ系とヒスパニック系のスコアの点数が白人系よりも減少幅が大。カリフォルニア州ロサンゼルスの8年生では9点も数値を下げている。
90年代以降、順調に点数が上昇していた数学でも4年生が241点にとどまり、19年比でマイナス5点。8年生は282点でマイナス8点となっており、オハイオ州クリーブランドの4年生では国語がマイナス16点、数学がマイナス15点と大きなダウンとなった。またメリーランド州ボルティモアや、テネシー州シェルビー郡などでも顕著な後退が見られた。
パンデミックによる学校閉鎖やリモート授業の常態化の影響とされており点数で“進歩”を見せた地域は皆無。8年生の数学では38%が「基本的概念を理解していない」というレベルとなった。全米教育統計センターのペギー・カー所長は「マイナス8点というのは過去に経験していない歴史的な事態」と憂慮。AP通信によれば三角形の2つの内角の数値を明示しても、残り1つの角度がわからない生徒もいたとされている。
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