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誤給付4630万円 口座仮差し押さえ、なぜ2週間後に?阿武町対応に疑問の声

[ 2022年5月21日 05:30 ]

 山口県阿武町が誤って振り込んだ給付金4630万円の一部を使用したとして、電子計算機使用詐欺容疑で同町の無職田口翔容疑者(24)が逮捕された事件で、県警は20日、容疑者の自宅を家宅捜索した。午後1時40分ごろ、捜査車両に乗った捜査員数人が山間部の容疑者宅へ。約2時間後、段ボール箱を持った捜査員が出て車両に乗り込み、容疑者宅を後にした。パソコンや銀行の書類など、金の流れが分かるものがないか捜索したとみられる。この日午前、県警は田口容疑者を山口地検に送検した。

 一方、事件を巡っては、町が裁判所に口座の仮差し押さえを申し立てたのが、誤送金発覚から2週間以上たった4月下旬だったことが判明。町側の対応に疑問の声が上がっている。

 誤送金が発覚したのは4月8日。同日夕方、町は銀行に田口容疑者に払い戻しをしないよう依頼する公文書を発送したが、口座の仮差し押さえを求める手続きはしなかった。その後、田口容疑者は同18日までにほぼ全てを出金した。金は「オンラインカジノに使った」と供述している。

 元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は「容疑者は誤送金発覚の日に銀行の入り口まで行って返金を拒否した。その時点で仮差し押さえの手続きを取るべきだった」と指摘。さらに、同14日には田口容疑者の母親らを交えて面会したが、返金に応じておらず「返金意思のないことははっきりしたはず。遅くてもこの時点で手続きすべきだった」とした。同日には口座に2000万円以上が残っていた。若狭氏は「返金の意思について疑問視する機会は何度かあったのに、手続きをしなかったのは危機管理のマネジメントとして弱かった」と町側の初動を疑問視した。

 同町側のこれまでの説明では、田口容疑者や弁護士と口座間の返金手続きである「組戻し」の相談中であったことや、発端が町側のミスだったことが遅れの原因とみられる。同町町議は「職員の振り込みの間違いを批判するのではなく、その後の町の対応がどうだったのか見直す必要はある」と語っており、町議会でも今後、検証を行う意向としている。

 《返還請求を「認諾」、弁護士費用などは争う方針》阿武町は田口容疑者に給付金や弁護士費用など約5115万円を求めて山口地裁萩支部に提訴しているが、田口容疑者の代理人弁護士は20日、記者団の取材に、給付金返還の請求を受け入れる「認諾」の手続きを地裁支部でしたと表明した。一方、給付金を除く弁護士費用などについては争う方針を示した。これにより田口容疑者は返済義務を負うが、代理人は「現状では資産はない」としている。全額返済は厳しく、今後の刑事裁判での情状酌量面などが目的とみられる。

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