岸田首相 マスク着用「緩和考えていない」、夏場の熱中症リスクに教育現場からは不満の声

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新型コロナウイルス対策のマスク着用を巡り、岸田文雄首相は13日の衆院内閣委員会で「緩和は考えていないのが基本だ」「感染の基本予防策として大変重要だ」と述べ、改めて現時点での見直しを否定した。夏場に向け、熱中症のリスクが高まる屋外での対応に関しては「以前から一定の距離を取ったならばマスクを外すことを奨励しており、方針は変わっていない」と説明した。立憲民主党の泉健太代表への答弁。
マスクについては、屋外での着用を中心に東京都医師会の尾崎治夫会長が「見直してもいいのではないか」と提案し、全国知事会でも政府方針の見直しが要請されている。熱中症のリスクの面では、特に乳幼児や子供へ着用推奨見直し論が高まっている。この日、2歳以上の保育園児への着用推奨を取りやめるとの一部報道も出たが、岸田首相は「政府として具体的な方針を決めた事実はない」と話した。
“現状維持”発言の背景には7月に控える参院選が見え隠れする。2020年の世界的なパンデミック以降、日本では「感染者増=内閣支持率下落」の法則があった。中でも、菅義偉前首相はコロナ対策で「対応が遅い」との批判を浴び、感染者の増加に合わせて支持率が急落した。永田町関係者は「首相は参院選までは、とにかく保身だろう。新しい手を打って、感染拡大だけは避けたい」とみる。一方で、岸田首相が大型連休の外国訪問中はマスクなしだったことに、インターネットなどでは「私たちも取っていいですか」との投稿も見られた。
マスク着用を続けることには、教育現場からは疑問の声も上がる。都内の保育士(39)は「熱中症の危険を考えると、あいまいな表現ではなく、幼児へのマスクははっきり“不要”としてほしい」とした。自身で温度調節の判断ができない子供は熱中症のリスクが高く、さらに乳幼児に関しては、マスクで表情が見えずコミュニケーション能力の発達への弊害もあるという。「保育者も子供も感染予防にこの2年以上頑張ってきた。熱中症の危険も伴う判断を現場に任せるのはもう限界だ」と不満の声が高まっている。
喫緊の課題を参院選終了まで先延ばしにするのか。首相の「決断力」も参院選の論点の一つになりそうだ。
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