下町ボブスレー 北京こそ吉報を “三度目の正直”イタリア代表が採用検討

[ 2022年1月14日 05:30 ]

北京五輪でイタリア代表からの採用を目指す「下町ボブスレー」のそり(黒坂浩太郎さん提供)
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 北京五輪の開幕が3週間後の2月4日に迫る中、東京都大田区の町工場が力を合わせてボブスレーのそりを開発する「下町ボブスレー」が“悲願の五輪出場”の吉報を心待ちにしている。2014年のソチ、18年の平昌に続き、北京が3度目の挑戦。今大会ではイタリア代表が2人乗りで「下町ボブスレー」の採用を決める可能性が高まっている。

 11年に町工場など約100社からなるプロジェクト推進委員会が発足。現在は20社ほどに減ったが、そりは各社の得意分野を生かしたパーツ約200点で製造した。中でも売りは削り出しのフレームだ。プロジェクトの委員長を務める三陽機械製作所の黒坂浩太郎社長(52)は「鉄の塊から削り出したフレームは剛性が優れている」と胸を張る。溶接加工では実現できない強度や耐久性が滑りに安定感をもたらしている。「競技の結果は8割が乗り手次第。残り2割でどうそりを安定させるかが重要」と力を込める。

 平昌では、一度は採用を決めたジャマイカ代表が開幕直前になってキャンセル。ソチも含め不採用が2度続いたことで、プロジェクト撤退も頭をよぎった。それでも「世界レベルで速いそりを作りたい」との思いは捨てられず、世界中のチームに提案の連絡をし続けた。

 ボブスレーは「氷上のF1」とも呼ばれる。欧州は、BMWなど超有名自動車メーカーが、そりに最先端技術を投入する舞台でもある。イタリアでは、同国の高級スポーツカーメーカー「フェラーリ」もそりを製造。下町VSフェラーリの構図になっている。

 フェラーリ相手でも一歩も引く気はない。イタリア代表は今月6日に行われた欧州杯に下町ボブスレーで出場。世界ランキング28位だったが、3位に入る好成績を収めた。黒坂さんは「トップスピードもひけを取らない」と自信を見せる。五輪出場は今月16日時点の世界ランキングを基に19日ごろ決まる。15日にはW杯が行われる。「イタリア代表がそこで使ってくれれば、五輪本番でも使ってくれるはず」と祈るように話した。 (岸 良祐)

 〇…黒坂さんたちの挑戦を基に、2014年にはNHK―BSプレミアムでドラマ「下町ボブスレー」が放送された。全3回。青柳翔(36)、南沢奈央(31)、蟹江敬三さんらが出演。実話通り、大田区の町工場の職人が、五輪競技用のボブスレー作りに挑む姿を描いた。

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