トラに襲われ飼育員負傷 男女3人頭部などかまれ女性1人重傷、那須サファリパーク臨時休園に

[ 2022年1月6日 05:30 ]

栃木県那須町の「那須サファリパーク」で3人の飼育員を襲ってけがをさせたベンガルトラの雄(同園公式ツイッターより)
Photo By 共同

 寅(とら)年の幕開け早々、動物園でトラが飼育員を襲う事故が発生した。栃木県那須町の「那須サファリパーク」で5日、20代飼育員の男女3人がかまれるなどしたもので、うち女性2人はケガの程度が重くドクターヘリで、男性1人が救急車で、それぞれ病院に搬送された。女性1人が右手首を失う重傷だという。営業開始前で客はいなかった。事故を受けて5日は臨時休園となった。

 トラは10歳のベンガルトラの雄「ボルタ」で、頭部を含めた体長は約2メートル、体重は約150キロ。この日午前8時半ごろ、同園従業員から「飼育員がトラに襲われた」と119番が入った。

 同園の説明などによると、トラ担当の女性飼育員(26)が開園準備のため、ボルタのいない獣舎から展示スペースにつながる通路に入ったところ、いないはずのボルタと遭遇。「ボルタ~!!」「ワァ~!!」などと叫ぶ女性の声で他の飼育員が駆け付けると、飼育員作業スペースで襲われているところだった。救助に入った男性(24)と女性(22)も襲われた。

 3人とも頭部のほか、上半身もかまれるなどし、22歳の女性が右手首を失う重傷。最初に襲われた女性飼育員は複数箇所をかまれ、男性も後頭部を負傷した。ボルタは別のスタッフが麻酔銃を撃ち鎮められた。

 獣舎は複数あり、それぞれ柵を隔てて通路に隣接。マニュアルでは展示終了後、トラを獣舎に入れ、柵が下りているかを確認するが、4日は未確認。ボルタは通路に残ったまま5日を迎え、知らずに入ってきた女性飼育員と鉢合わせしたとみられる。県警は管理に問題がなかったか調べている。

 ボルタは2018年から同園で飼育。世界的に大ヒットした映画「サタデー・ナイト・フィーバー」の主演で知られる米俳優のジョン・トラボルタにあやかり、「ボルタ」と名付けられた。ベンガルトラの中でも世界で30頭ほどしか飼育されていない「ゴールデンタビータイガー」という希少種で、しま模様が薄く金色の毛並みが特徴。昨年12月末、寅年に絡んでテレビの情報番組で取り上げられた際、同園スタッフはボルタが穏やかでおっとりしていることから「草食系肉食動物」と紹介していた。

 同園では1997年と00年にも飼育員がライオンにかまれ、大ケガをする事故が起きている。

 ≪驚いて本能的に身を守ろうと…≫飼育されているトラがかみついた原因について、動物プロダクションを運営する動物評論家の三上昇氏(60)は「飼育員と予期せず鉢合わせたことで、トラが驚いたのだろう。本能的に身を守ろうとかみついたのではないか」と指摘した。動物園の来場者が増えたストレスや寒さ、空腹は「原因とは考えにくい」とした。ベンガルトラの性格も「長く飼われていれば普通のトラと同じ。特に凶暴ではない」と説明。今後について「かむことが当たり前になることはない。原因は管理上の問題」とした。

 ◇那須サファリパーク 1978年に開園。ホワイトライオン、トラ、キリン、カバ、サイをはじめ約70種700頭の動物が園内で放し飼いにされ、入園者は自動車やバスで園内を回る。身近に動物に触れ合えることから親子連れなどに人気。東北自動車道那須インターチェンジの北約7キロ、那須ハイランドパークなどが付近にある行楽地に立地。

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