河村氏 小選挙区出馬を断念、山口3区で林氏との公認争い敗れ…政府関係者「二階派崩壊の始まり」

[ 2021年10月15日 05:30 ]

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衆院本会議を欠席した自民党の河村建夫元官房長官の席(中央)
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 山口3区で11期目の当選を目指していた二階派会長代行の河村建夫元官房長官(78)。首相の座を目指し参院議員を辞職、鞍替え出馬する岸田派座長の林芳正元文部科学相(60)との激しい公認争いに敗れた。解散当日に、重鎮議員が小選挙区での出馬断念の意向を固めたと伝えられる異例の事態となった。

 将来的に秘書で長男の建一氏(45)に地盤を継ぐため、「命を懸けた最後の戦い」として3区公認死守へ強い覚悟で臨んできた河村氏。事務所の数を増やしたほか、選挙区内をこまめに回る「どぶ板」活動も展開。異例とも言える「つじ立ち」まで決行した。

 力の入れようは二階派会長の二階俊博前幹事長も同様。林氏が鞍替えの意向を固めたと報じられた直後の昨秋、山口県宇部市で開かれた河村氏の総決起大会に二階派議員約20人を引き連れて乗り込み、「売られたケンカって言葉あるでしょ?挑んでこられるなら受けて立つ」とすごんだ。

 しかし、事実上の二階氏切りを公言していた岸田文雄総裁が誕生。選挙を仕切る幹事長には麻生派重鎮の甘利明氏がおさまった。

 現職優先の原則がある中、山口県連は今月1日、林氏推薦を決め党本部に申請。河村氏は最後まで徹底抗戦を続けたが「幹事長職にとどまることができなかったのは大きい。もはや、二階さんに押し切る力はなかった」(自民党選対関係者)。河村氏公認となっても林氏の強行出馬は既定路線で、「ダブルスコアで林氏勝利」の情勢分析もなされていた。73歳定年制の原則に従えば、比例代表での復活も望めない。

 そうした中、解散前日の13日になって甘利執行部は「引導として」(同関係者)河村氏に3区出馬の見送りを要請。長男を比例代表で優遇する案も提示した。「蹴れば河村氏の名前が消えるだけ」(同関係者)の状況で、最後は甘利裁定を前に涙をのむほかはなかった。同日夜、遠藤利明選対委員長に受け入れる考えを伝えた。

 長男の比例出馬となれば、河村氏は引退するとみられる。14日に予定されていた会見は行われず、長男の比例名簿順位などを巡り調整が難航しているとの見方も出ている。自民党関係者は「解散日までもつれるのは極めてまれ。ギリギリの攻防だったことを物語っている」と話した。

 党内政局の行方を注視する政府関係者は「長く権勢を誇った二階さんだが、力がそがれていくのを強く感じる。主流派からさらに遠ざかる決定的な一件。総選挙を経て勢力を減らすなら二階派崩壊の始まりになるかもしれない」と話した。

 《次回総選挙から小選挙区4→3に》早ければ次回総選挙から山口県の小選挙区は4から3に減少。2020年の国勢調査の人口に基づき各都道府県に議席を割り振るため。自民党が全区を独占する山口県。1区が高村正大氏(麻生派)、2区が岸信夫防衛相(細田派)で、4区には細田派から安倍派への代替わりが進むと目されている安倍晋三元首相がおり、難しい調整となるのは必至。河村家が次回、小選挙区で公認を得るには今回の3区公認は最低条件。首相を目指す林氏も事情は同じで、互いに引けない状況だった。

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