河野氏 石破氏とのタッグで地方票大幅上積み期待もはらむ“リスク”

[ 2021年9月15日 05:30 ]

記者会見で自民党総裁選への立候補を正式表明する河野行革相=10日、国会
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 自民党総裁選への出馬を断念した石破茂元幹事長が支援する方向となった河野太郎行政改革担当相。「次の首相にふさわしい人」調査で1位、2位を占める両氏のタッグで河野氏は有利な戦いを展開するとみられている。

 昨秋総裁選の惨敗で消滅危機にあるとされる石破派。存続のために石破氏は自派議員の要職登用をもくろんだ損得勘定も働かせ、石破氏を敵視する安倍晋三前首相が及ぼす影響力が岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相に比べれば大きくない河野氏支援で勝ち馬に乗ろうと考えたようだ。

 国会議員票と党員・党友の地方票がともに383票というフルスペックで実施される争いで、河野陣営のネックとなっていたのが石破氏と地方票を食い合う恐れ。石破氏不出馬で大幅上積みが可能とそろばんをはじく。

 一方、陣営は“石破リスク”をもはらむことになる。石破氏は9日のテレビ番組で、安倍氏の妻昭恵氏らの名前が取り沙汰された森友学園問題を巡る財務省の決裁文書改ざんに関し、自殺した職員にわざわざ触れ再調査が必要と言及。再燃を警戒する安倍氏と、盟友の麻生太郎副総理兼財務相の虎の尾を踏んだ。麻生、安倍両政権への批判が過ぎたことで生まれた党内の石破アレルギーを増幅させたとも指摘されている。そもそも根回しせずに突っ走る河野氏の政治スタイルを、リーダー論も絡めて危険視する声は依然として根強い。脱原発や女系天皇容認などの持論封印についても「信用できない」との見方は払拭(ふっしょく)されていない。

 こうした状況も踏まえ、麻生氏は連日のように重ねた河野氏との会談で「石破氏の支援は受けるな」とクギを刺した、というのが永田町では定説。自民党関係者は、河野氏が石破氏に協力要請した13日の“禁断”の会談について「河野さんはとうとう、安倍さん、麻生さんを振り切ってしまった」と指摘。安倍氏が支援する高市陣営の幹部は「両氏に反発する人の結集につながる」と話していた。

 果たして、安倍氏が大きな影響力を持つ最大派閥・細田派はこの日の総会で高市、岸田両氏を支持対象にすると決定。河野氏については各議員の判断に委ねるとした。議員票の比重が増し、河野氏不利とみられる決選投票に持ち込む流れをつくるべく、「動きを加速させた」(同関係者)とみられている。政局の行方に気をもむ政府関係者は「安倍さん、麻生さんサイドは、党内での居場所をちらつかせるなどして河野氏支持で動く議員のはがしにかかるだろう」と話した。投開票まで2週間。権力闘争は世代間闘争の様相も帯びつつ激烈を極めていく。

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