今夏“冬の南米”で拡大 新型コロナ変異ウイルス「ミュー株」って…どんな株?第6波へ警戒

[ 2021年9月13日 05:30 ]

8月、新型コロナウイルスワクチンの接種会場の外で列をつくる市民ら=チリの首都サンディアゴ(AP)
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 東大医学研究所の佐藤佳准教授(ウイルス学)らのチームは12日までに、新型コロナの変異ウイルス「ミュー株」が従来株に比べ、抗体が感染を防ぐ効果が7分の1になったとの研究結果を発表した。ミュー株にはワクチンで作られる抗体が特に効きにくい特性があり、空気が乾燥する秋から冬にかけて日本国内で流行する可能性を危惧する声が、医療関係者の間で高まっている。

 ミュー株は今年1月、コロンビアで初確認。同国内の感染の主流になったとみられ、1日あたり約700人の死者を出した今年4~6月の第3波では、死者の3分の2近くでミュー株の陽性反応が確認されたとの報告もある。南米を中心に世界40カ国に広まり、世界保健機関(WHO)は「注目すべき変異株」に指定している。

 日本国内でも既に流入が確認されている。今月1日、厚生労働省は、6月にアラブ首長国連邦から、7月に英国から入国した女性2人から検出されたことを明らかにした。

 医療関係者は「ミュー株はこれまで冬の南半球で猛威を振るっており、これから冬を迎える日本で広がる可能性がある」と警戒を強める。西武学園医学技術専門学校東京校の中原英臣校長(感染症学)は「これまで政府の水際対策は失敗続きで、ミュー株を含むあらゆる株が秋から冬に掛けて大流行する恐れは否定できない」と指摘した。

 政府が新型コロナ対策の「切り札」と期待するワクチン接種の広まりもあって、デルタ株による第5波はピークアウトの兆しを見せ始めた。だが、ワクチン効果の弱いミュー株が広がり、第6波が到来すれば、コロナ対策は振り出しに戻りかねないとの懸念もある。中原氏は「そもそもワクチンが“絶対に効く”という前提が正しくない。効かないことも前提に対策すべき。抗体が徐々に薄れるのが自然で、ワクチンを切り札と頼り切ってはいけない」と警鐘を鳴らした。

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